政治活動を支える目的で、企業(法人)が政党や政治資金団体に資金を提供すること。個人献金と並ぶ政治献金の一つで、政治資金規正法では「寄附」にあたる。業界団体からの献金も含めて「企業・団体献金」とよばれることもある。政党活動に必要な資金の大半は、1994年(平成6)に成立した政党助成法によって国の交付金でまかなわれており、企業献金は足りない費用を補う役割を担っている。企業はその資本金に応じ、1社当り年間750万円から1億円まで献金できる。ただし3年連続赤字などの経営不振企業や外国人または外国籍企業の政治献金は禁止されている。政治資金規正法で、企業献金の受け皿は、政党や政治資金団体(自民党の国民政治協会や民主党の国民改革協議会などが該当)に限られている。政治家個人への献金は、特定企業に見返りを与えることにつながりかねないとして禁止されている。ただし国会議員が代表を務める政党支部への献金は認められており、抜け道になるとの批判が出ている。企業献金には法人税率引下げなどの政策決定に経済界の意見を反映するねらいがあるとされる一方で、「見返りを求めて行えば贈賄になり、利益が得られないにもかかわらず資金を出したとなれば背任にあたる」との批判もある。
アメリカでは連邦選挙運動法で、企業・労働組合からの献金は禁止されている。日本では経済団体連合会(現、日本経済団体連合会)が、1946年(昭和21)の発足以来、各企業に献金額を割り当てる企業献金の斡旋(あっせん)役となり、ピーク時の1980年代には年間100億円を超える企業献金があった。しかし1990年代前半のゼネコン汚職などを機に、1993年に経済団体連合会が斡旋方式を廃止し、単に献金を呼びかける「呼びかけ方式」に転換した。日本経済団体連合会(経団連)は、2004年(平成16)に各政党の政策を5段階で評価して献金額を変える「政策評価方式」に変更。2009年に民主党政権が誕生すると、企業献金へ関与を中断したが、2014年9月には企業に対し政治献金の呼びかけを5年ぶりに再開すると表明した。なお民主党は2009年の衆院選の公約に、企業団体献金の全面禁止を掲げ政権についたが、実現できなかった。
[矢野 武 2015年2月17日]
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