伊勢天照御祖神社(読み)いせのあまてらすみおやじんじや

日本歴史地名大系 「伊勢天照御祖神社」の解説

伊勢天照御祖神社
いせのあまてらすみおやじんじや

[現在地名]久留米市大石

速水はやみ鎮座する旧県社。祭神は天照大神。伊勢御前社・大石おおいし宮とも称し、大石村の氏神であった(寛文十年寺社開基)。大石越前守が伊勢内宮神前の鏡および小石を宅内に奉祀したのが始めという(「筑後将士軍談」など)。当社を「延喜式神名帳にみえる三井みい郡の同名社にあてる説もあるが、同社は現御井みい町の御祖みおや神社(高良玉垂命神社の境内に鎮座)に比定する説が有力で、当社は天慶七年(九四四)四月二二日の筑後国神名帳(高良山文書/久留米市史7 資料編古代・中世)にみえる三潴郡「大石男神」にあたるとされる(「筑後将士軍談」など)。寛永一七年(一六四〇)久留米藩の初代藩主である有馬豊氏が鷹狩の時に参詣し、大破した神殿拝殿が再興され、明暦四年(一六五八)にも再興された(前掲寺社開基)


伊勢天照御祖神社
いせあまてらすみおやじんじや

[現在地名]久留米市御井町

高良こうら山の中腹、高良大社の旧参道脇に鎮座。祭神は伊勢天照御祖神。「延喜式」神名帳に三井みい郡三座の一つとして記す伊勢天照御祖神社に比定する説がある。同帳にアマテラスミオヤ(九条家本)、アマテラスオヤノ(武田氏本)などの訓が付される。天慶七年(九四四)四月二二日の筑後国神名帳(高良山文書/久留米市史7 資料編古代・中世)に「正五位下伊勢天照名神」とあるが、古くより本来の社地は不明となっていた。現在高良山西麓(高良大社の石造大鳥居の北側、現御井小学校校庭)にある伊勢の井は「高良玉垂宮神秘書」に記す「中嶋ノ伊勢ハ、大菩薩、天照大神ヲクハンシヤウ申タル所ナリ」にあたるとされ、中世後期にはその一帯に祀られていたともいう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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