(読み)ジ

デジタル大辞泉 「似」の意味・読み・例文・類語

じ【似】[漢字項目]

[音](呉) [訓]にる
学習漢字]5年
〈ジ〉にる。「疑似近似酷似相似類似
〈に〉「似顔似姿空似
[名のり]あえ・あゆ・あり・あれ・い・かた・ちか・つね・に・のり
難読似非えせ似而非えせ真似まね

に【似】

[語素]体言の下に付いて、そのものに似ているさまを表す。「母親」「他人の空

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「似」の意味・読み・例文・類語

にる【似】

  1. 〘 自動詞 ナ行上一 〙
  2. 互いに同じさまに見える。形状性質共通点があり、どちらも同じように見える。
    1. [初出の実例]「河風の寒き長谷(はつせ)を歎きつつ君が歩くに似(にる)人も逢へや」(出典万葉集(8C後)三・四二五)
  3. そのことと匹敵する。それと等しい価値がある。また、つりあう。相応する。
    1. [初出の実例]「くすしふりはへて、とうそ、白散、さけくはへてもてきたり。こころざしあるににたり」(出典:土左日記(935頃)承平四年一二月二九日)

に【似】

  1. 〘 造語要素 〙 体言に添えて、そのものに似ているさまを表わす。「お母さん似」「父親似」など。

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普及版 字通 「似」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(異体字)
7画

[字音]
[字訓] にる・つぐ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は以(い)。以は耜(し)(すき)の象形(し)ともと同形で、また厶(し)とも釈する形である。厶(すき)を祓うために祝詞(さい)を加えた形は台。それで始ととはもと同形、通用の字であった。〔説文〕八上に「象(に)るなり」とするが、〔詩、周頌、良耜〕に「以て似(つ)ぎ以て續(つ)がん」と似続の意に用いるのが古い用法で、おそらく(し)(嗣)と通用したものであろう。

[訓義]
1. にる、かたどる、それらしくみえる。
2. 嗣と通じて、つぐ、あとをつぐ。
3. 示と通じ、しめす、みせる、おくる、よせる、あたえる。
4. 以と通じ、もちいる。

[古辞書の訓]
名義抄〕似 ニタリ・ノル・ゴトシ・アエタリ・チカシ・トモガラ・ナラフ・ノリ・ミノトコロ 〔字鏡集〕似 ミノトコロ・チカシ・ゴトシ・ノリ・チカ・アエリ・アエタリ・ノレリ・ツグ・カタチ・ナラフ・トモガル・ニタリ・チカチカ・ミニタシ・ノル

[語系]
似・嗣・祠・詞ziは同声。似・嗣の本義は嗣続。その祭祀権を継承することを意味したのであろう。

[熟語]
似偽・似許・似虎・似如・似助・似続・似・似類
[下接語]
宛似・疑似・近似・形似・嫌似・酷似・肖似・象似・真似・甚似・相似・微似・匹似・法似・面似・類似

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