佐々木喜善(読み)ささききぜん

百科事典マイペディア 「佐々木喜善」の意味・わかりやすい解説

佐々木喜善【ささききぜん】

岩手県土淵村(遠野市)生れ。井上円了哲学館,次いで早大文学部に学び,泉鏡花を慕って鏡石と号し,短編小説詩歌などを発表。柳田国男指導民間伝承を調査研究。《遠野物語》は彼の話を柳田筆録ほか東北昔話採集した《江刺郡昔話》《聴耳草紙》など。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐々木喜善」の解説

佐々木喜善 ささき-きぜん

1886-1933 明治-昭和時代前期の民話研究家。
明治19年10月5日生まれ。東京遊学中に知りあった柳田国男に提供した郷里岩手県遠野地方の伝説・昔話の資料は,「遠野物語」にまとめられた。のち帰郷し,民間伝承の採集につとめた。昭和8年9月29日死去。48歳。早大中退。筆名は繁。号は鏡石。著作に「江刺郡昔話」「聴耳草紙」など。

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世界大百科事典(旧版)内の佐々木喜善の言及

【柳田国男】より

…とくに宮崎県の椎葉(しいば)村で古い狩猟方法を聞き感動した。さらにその年の秋には岩手県遠野出身の佐々木喜善(1886‐1933)から遠野地方に伝承されるさまざまなふしぎな話を聞き,魅惑された。この二つの体験を,それぞれ《後狩詞記(のちのかりことばのき)》(1909),《遠野物語》(1910)の2書にまとめ,民俗学の研究に踏み込むこととなった。…

※「佐々木喜善」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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