佐々木喜善(読み)ササキ キゼン

20世紀日本人名事典 「佐々木喜善」の解説

佐々木 喜善
ササキ キゼン

明治〜昭和期の作家,民俗研究家 「遠野物語」の語り部



生年
明治19(1886)年10月5日

没年
昭和8(1933)年9月29日

出生地
岩手県上閉伊郡土淵村(現・遠野市)

別名
筆名=佐々木 鏡石,佐々木 繁

学歴〔年〕
早稲田大学文科中退

経歴
創作を志し、「芸苑」「アルス」などに短編小説、詩を発表する。岩手県土淵村の村議村長を務めたのち、民話採集・出版を行う。一方、明治41年農政官僚だった日本民俗学の祖・柳田國男と出会い、遠野の伝説や民間信仰などを伝えた。大正9年柳田により「遠野物語」にまとめられた。著書に「奥州のザシキワラシの話」「江剌郡昔話」「聴耳草紙」「遠野の昔話」などのほか、「佐々木喜善全集」(3巻)がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

百科事典マイペディア 「佐々木喜善」の意味・わかりやすい解説

佐々木喜善【ささききぜん】

岩手県土淵村(遠野市)生れ。井上円了哲学館,次いで早大文学部に学び,泉鏡花を慕って鏡石と号し,短編小説,詩歌などを発表。柳田国男指導民間伝承を調査研究。《遠野物語》は彼の話を柳田が筆録。ほかに東北の昔話を採集した《江刺郡昔話》《聴耳草紙》など。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐々木喜善」の解説

佐々木喜善 ささき-きぜん

1886-1933 明治-昭和時代前期の民話研究家。
明治19年10月5日生まれ。東京遊学中に知りあった柳田国男に提供した郷里岩手県遠野地方の伝説・昔話の資料は,「遠野物語」にまとめられた。のち帰郷し,民間伝承の採集につとめた。昭和8年9月29日死去。48歳。早大中退。筆名は繁。号は鏡石。著作に「江刺郡昔話」「聴耳草紙」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「佐々木喜善」の解説

佐々木 喜善 (ささき きぜん)

生年月日:1886年10月5日
明治時代-昭和時代の民俗学者;作家
1933年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の佐々木喜善の言及

【柳田国男】より

…とくに宮崎県の椎葉(しいば)村で古い狩猟方法を聞き感動した。さらにその年の秋には岩手県遠野出身の佐々木喜善(1886‐1933)から遠野地方に伝承されるさまざまなふしぎな話を聞き,魅惑された。この二つの体験を,それぞれ《後狩詞記(のちのかりことばのき)》(1909),《遠野物語》(1910)の2書にまとめ,民俗学の研究に踏み込むこととなった。…

※「佐々木喜善」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android