鏡石(読み)カガミイシ

デジタル大辞泉 「鏡石」の意味・読み・例文・類語

かがみ‐いし【鏡石】

表面が滑らかでつやがあり、ものの影がよく映る石。鏡岩
手水鉢ちょうずばちの前に置く石。

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精選版 日本国語大辞典 「鏡石」の意味・読み・例文・類語

かがみ‐いし【鏡石】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 表面に光沢があって、物の形がよく映る石。鏡岩。
    1. [初出の実例]「松尾社司注進云〈略〉末社宗像社鏡石頽落事」(出典百練抄‐寛元二年(1244)三月二六日)
  3. 手や顔などを洗う水を入れておく鉢の前に置く石。
    1. [初出の実例]「手水鉢の前のすて石をかがみ石と云也」(出典:利休客之次第(1587))

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日本歴史地名大系 「鏡石」の解説

鏡石
かがみいし

[現在地名]北区衣笠鏡石町

左大文字ひだりだいもんじ山の東方(紙屋かみや川西岸)、金閣きんかく寺から鷹峯千束たかがみねせんぞくに至る途中の道に突出る巨岩で、断層によって生じたもの。一条・三条天皇火葬塚に面する。

菟芸泥赴」に「平野より十町ばかり北の道の辺の左の山際に有、石の横二間ばかり、高さ山につゞきたる所にて九尺計、裾は五尺計也、石の色くもれる鏡の面の如く平にしてむかへば影をうつす、其故の名也」とある。江戸時代のほとんどの名所記に記され、紀貫之の「うば玉の我黒髪やかはるらん鏡の影にふれるしら雪」(古今和歌集)はこの鏡石と伝え(都名所図会・名所都鳥・都花月名所)、源義経がこの石に臨んで戎衣を整えたという伝承も残る(雍州府志・京羽二重織留)

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改訂新版 世界大百科事典 「鏡石」の意味・わかりやすい解説

鏡石[町] (かがみいし)

福島県中央部,岩瀬郡の町。1962年町制。人口1万2815(2010)。中通り地方の南にあり,北は須賀川市と接する。地形はほぼ平たんで,国道4号線,JR東北本線東北縦貫自動車道が町の中央を縦断する。第2次世界大戦後開拓入植者と疎開者の定住により人口が急増,現在でも増加傾向を保っている。かつては人口の7割が農業に従事する典型的な農村であったが,現在その割合は2割にまで減少した。一方,1977年完成した工業団地のほか,郡山地域テクノポリス構想圏域内に立地している。農業は,米,キュウリなどを中心に多角化しており,1戸当りの農業所得は県内第1位である。戦前に宮内省の御料牧場があったが,現在は民間の観光牧場になっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鏡石」の意味・わかりやすい解説

鏡石(町)
かがみいし

福島県中南部、岩瀬郡にある町。1962年(昭和37)町制施行。町の中央をほぼ平行してJR東北本線と国道4号、東北自動車道が通る。町域は矢吹原(やぶきがはら)の台地上に広がり、昭和初期までは純農村であった。1880年(明治13)に宮内省の開墾所が設置され、その事業は現在の岩瀬牧場や岩瀬農業高校などの形で残った。第二次世界大戦後、羽鳥用水(はとりようすい)による開田、工場の立地、住宅地開発などにより人口増をみた。稲作のほか、キュウリ、リンゴ栽培が盛ん。面積31.30平方キロメートル、人口1万2318(2020)。

[渡辺四郎]

『『鏡石町史』全4巻(1982~1985・鏡石町)』


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百科事典マイペディア 「鏡石」の意味・わかりやすい解説

鏡石[町]【かがみいし】

福島県中南部,中通り地方南部の岩瀬郡の町。大部分は丘陵性台地で,東部の阿武隈(あぶくま)川と西部の釈迦堂川に挟まれ,水田が開ける。中心は東北本線に沿う笠石で奥州街道の宿駅として発達,水稲を中心に,キュウリ,トマト,リンゴ,イチゴを産し,畜産も行う。東日本大震災で,町内において被害が発生。31.30km2。1万2815人(2010)。

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