佐山検校(読み)さやまけんぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「佐山検校」の意味・わかりやすい解説

佐山検校
さやまけんぎょう

[生]?
[没]元禄7(1694).11.14.
盲人の地歌三弦家。都名 (いちな) は本一。寛文6 (1666) 年検校登官。柳川検校師事。浅利検校とともに江戸名人として知られた。三味線組歌破手組『片撥』の奏法を発展させ,地歌三弦に「長歌」の新様式を創始したともいわれ,その作品は『雲井弄斎』『木遣』『小夜衣』『桜尽し』『冬草』など今日でも演奏される名曲である。ほかに手事物『三段獅子』や三弦器楽曲『きぬた』などの作品がある。江戸長唄杵屋勘五郎の師ともいわれるが,実証はない。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐山検校」の解説

佐山検校 さやまけんぎょう

?-1694 江戸時代前期の地歌演奏・作曲家。
江戸で山本てう一に師事,寛文6年検校。柳川検校の門人ともいう。長歌(ながうた)物を創始し,「松の葉」に「若緑」「桜尽し」「冬草」など12曲が収録されている。元禄(げんろく)7年2/11月14日死去。名は本一(ほんいち)。

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世界大百科事典(旧版)内の佐山検校の言及

【砧】より

…【竹内 道敬】(4)地歌・箏曲の曲名。佐山検校(?‐1694)作曲の三弦曲および生田検校作曲と伝えられる箏曲を源流とする。砧の擬音的表現を主題とする4段構造の器楽曲で,能とは無関係。…

【地歌】より

…現在では,京都の伝承は6曲ほどのみであるが,大阪では32曲のすべてが伝承され,表組,破手組,裏組,中組,奥組に分類される。 カタバチの奏法によって,組歌形式でなく,1曲が統一的な主題で一貫される新歌曲を創始したのは,江戸の佐山検校(?‐1694)であった。その新歌曲も,元禄期には組歌と同様に伝承上の規範曲とされ,これを〈長歌〉と称した。…

※「佐山検校」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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