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片撥 かたばち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

片撥
かたばち

日本音楽の用語。 (1) 江戸時代初期の流行歌寛永 (1624~44) 頃から遊郭で歌われだした。七七七七の詩型のものをいう。 (2) 三味線組歌の曲名。破手 (はで) 組で「破手片撥」ともいう。 (3) 三味線奏法。三味線組歌の本手組に用いられる諸撥 (もろばち) の奏法に対して,破手組や長歌における諸撥でない奏法をいう。 (4) 締太鼓の奏法名称。右桴 (ばち) だけで連打する奏法。

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デジタル大辞泉の解説

かた‐ばち【片×撥】


太鼓などの打楽器で、一対のばちのうちの一方だけで打つこと。特に能楽や長唄の囃子(はやし)で、太鼓を右手のばちだけで打つこと。
三味線の奏法で、すくうことをしないで、ばちを打ちおろすときのみ弾くこと。→諸撥(もろばち)
江戸初期の流行歌の一。寛永(1624~1644)のころ、吉原の遊女が歌いはじめたものという。
地歌の曲名で、三味線組歌の破手組(はでぐみ)の一。柳川検校作曲。3に節付けしたものといわれる。端手(はで)片撥。

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大辞林 第三版の解説

かたばち【片撥】

能楽で、太鼓を打つ時に右撥だけを使う特殊な奏法。
寛永(1624~1644)頃に遊里で流行した小歌節の一。
三味線の奏法の一。撥を打ちおろす時のみ弦に当てるもの。

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世界大百科事典内の片撥の言及

【小歌(小唄)】より

…恋の歌が多く,扇拍子ないしは一節切(ひとよぎり)で歌われたという。隆達節を端緒として,寛永(1624‐44)ころには京都で弄斎節(ろうさいぶし),江戸で片撥(かたばち),明暦・万治(1655‐61)には京都島原で投節(なげぶし),江戸吉原でつき(ぎ)節,大坂新町で籬(まがき)節などが流行する。いずれも旋律は明らかではないが,小歌は色里から歌い出されたので,のちには〈色里流行歌(はやりうた)〉と総称されるようになる。…

【地歌】より

…その中でも最古典曲は,石村検校作曲とされる《琉球組》であるが,虎沢検校を経て柳川検校に至るまでに,増補・整理された。とくに柳川が〈カタバチ(片撥)〉(撥を弦にあてて胴皮におろす普通の弾き方とスクイ撥が交互になるモロバチが本手には用いられたが,これに対して普通の弾き方のみが連続する)の奏法によって新作したものを〈破(端・葉)手(はで)〉と称してから,それ以前のものを,狭義の〈本手組〉(表組)と称した。元禄期(1688‐1704)には,京都では早崎(はやさき)勾当(?‐1717),大坂では野川検校を中心に異なる伝承体系を生じ,前者を早崎流ないし柳川流,後者を野川流と称した。…

※「片撥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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