日本大百科全書(ニッポニカ) 「佐藤一英」の意味・わかりやすい解説
佐藤一英
さとういちえい
(1899―1979)
詩人。愛知県に生まれる。早稲田(わせだ)大学英文科予科中退。予科時代、吉田一穂(いっすい)、中山義秀(ぎしゅう)、横光利一(りいち)らと知る。菊池寛(かん)論『軽さと重さ』(1919)によって注目されたが、のちに春山行夫(ゆきお)らと詩誌『青騎士』を創刊。また『文芸時代』『詩と詩論』『新詩論』などに精力的に詩、評論を発表。おもな詩集に、若々しいロマンチシズムに彩られた処女詩集『晴天』(1922)、『故園の莱(あかざ)』(1923)、『魂の楯(たて)』(1942)などのほか、第二次世界大戦後の時代状況を歌った『乏しき木片』(1947)、『幻の鐘』(1948)などがある。新韻律詩を実践提唱したことでも知られ、『新韻律詩論』(1940)がある。
[原 子朗]
『『日本詩人全集32 明治大正詩集』(1969・新潮社)』