僉議(読み)センギ

デジタル大辞泉 「僉議」の意味・読み・例文・類語

せん‐ぎ【×僉議】

[名](スル)《「僉」は皆の意》
多人数評議すること。また、その評議。衆議。「村民が集まって僉議する」
詮議せんぎ2」に同じ。
「この―の済むまではここを通さじ」〈浮・一代男・四〉

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精選版 日本国語大辞典 「僉議」の意味・読み・例文・類語

せん‐ぎ【僉議】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「僉」は皆(みな)の意 )
  2. 多人数で評議すること。また、その評議。衆議。評議・評定結果をもいう。
    1. [初出の実例]「其自外入内叙当位之階、則優昇超次僉議未允」(出典類聚三代格‐五・延暦一二年(793)正月六日)
    2. [その他の文献]〔沈約‐授蕭恵休右僕射詔〕
  3. ( 「詮議」と誤って用いられたもの ) =せんぎ(詮議)
    1. [初出の実例]「ただいまよりあれへ参り、僉議致いてもらおうと存ずる」(出典:虎寛本狂言・横座(室町末‐近世初))

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改訂新版 世界大百科事典 「僉議」の意味・わかりやすい解説

僉議 (せんぎ)

日本の中世社会で,多人数の集会において評議することをいう。また衆議,評定の結果をもいう。《類聚三代格》五,延暦12年(793)1月6日の勅に,〈其ノ外ヨリ内ニ入リ当位ノ階ニ叙ス,則チ優昇シテ次ヲ超ス。僉議未ダ充ハズ,刑ヲ行ウノ日ニ至リテ辞訳スルヲ聴サズ〉とあり,また《節用集》に,〈僉とは皆也,大衆ノ評定ノ義也〉とあるのは上記の釈義の根拠となろう。僉議は詮議と誤って使用されて常用化している。しかし,後者は同じく〈せんぎ〉と読まれているが,その意義は評議して物事を明らかにすること,あるいは罪人取調べ吟味,罪人の捜索を意味する語で,まったく別義の語句である。また方言で,〈せんぎ〉と言うと喧嘩口論を意味する地方(富山県高岡市,静岡県周智郡,岡山県苫田郡,山口県など)がある。
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普及版 字通 「僉議」の読み・字形・画数・意味

【僉議】せんぎ

合議

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