先手組(読み)サキテグミ

デジタル大辞泉 「先手組」の意味・読み・例文・類語

さきて‐ぐみ【先手組】

先頭に立つ部隊
江戸幕府職名弓組鉄砲組とに分かれ、江戸城諸門の警備将軍外出の際の護衛、また、火付盗賊改ひつけとうぞくあらためとして江戸市中巡視などを担当先手頭もと与力よりき同心で組織された。

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精選版 日本国語大辞典 「先手組」の意味・読み・例文・類語

さきて‐ぐみ【先手組】

  1. 〘 名詞 〙 江戸幕府の職名の一つ。先手鉄砲組・先手弓組の併称。寛永九年(一六三二)に鉄砲一五組、弓一〇組の計二五組と定めたが、のち二八組(鉄砲二〇組、弓八組)となった。江戸城内外の警衛、将軍出向の際の警固、市中の火付盗賊改などに当たった。慶応二年(一八六六廃止

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改訂新版 世界大百科事典 「先手組」の意味・わかりやすい解説

先手組 (さきてぐみ)

江戸幕府番方の職制。弓組,鉄砲組の別がある。その起源は戦国大名時代にさかのぼる。弓組は10組,鉄砲組は本丸20組,西丸4組を定数とした。各組に頭1人(若年寄支配,役高1500石,布衣,躑躅間(つつじのま)詰),与力5~10騎(役高200石,御目見以下,上下役,御抱場),同心30~50人(役高30俵二人扶持,御目見以下,御抱場)が属した。ちなみに,先手頭は先手弓頭(御先弓頭あるいは総御弓頭ともいう)と先手鉄砲頭(御先筒頭あるいは総御鉄砲頭ともいう)とを併称した職名である。平時は江戸城蓮池門,平川口,下梅林,紅葉山下門,坂下門などに交替で勤番した。またそのうちの1組は本役として火付盗賊改に出役し,冬季には別に他の1組が本役の補助として勤務した。これを加役という。このほか将軍の出行に供奉してその地を警固し,臨時に市中を巡回して非常の警戒にあたった。戦時は将軍の旗本に備えた。1866年(慶応2)先手組は廃止となり,頭は勤仕並寄合,与力は銃隊,同心は小筒組に編入された。
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