先験的(読み)センケンテキ

デジタル大辞泉 「先験的」の意味・読み・例文・類語

せんけん‐てき【先験的】

[形動]《〈ドイツtranszendental
カント哲学で、対象にかかわるのではなく、先天的に可能な限りでの対象の認識のしかたに関する認識についていう。超越論的
フッサール現象学で、エポケー判断中止)を行ったのちに残存する純粋意識の領域に関していう。超越論的。

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精選版 日本国語大辞典 「先験的」の意味・読み・例文・類語

せんけん‐てき【先験的】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( [ドイツ語] transzendental訳語 ) 哲学で、経験に先だち、すなわち経験から独立して、経験を可能にするように条件づけるさま。一切の経験に先だって、認識の可能性を取り扱うことができるすべての原理のあり方のさま。超越論的。
    1. [初出の実例]「此の道具になる概念は必しも先験的な必然的なものでなくてもよい」(出典:物理学と感覚(1917)〈寺田寅彦〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「先験的」の意味・わかりやすい解説

先験的
せんけんてき

ドイツ語トランスツェンデンタールtranszendentalの訳語としてつくられた哲学上の術語。「超越論的」といわれる場合もある。「対象にではなく、むしろア・プリオリ(先天的)に可能な限りでの対象の認識の仕方に関する認識」(カント)と定義される。

[坂部 恵]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「先験的」の意味・わかりやすい解説

先験的
せんけんてき

「ア・プリオリとア・ポステリオリ」のページをご覧ください。

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