(読み)ダ

デジタル大辞泉 「兌」の意味・読み・例文・類語

だ【×兌】

易の八卦はっけの一。算木の形に表す。沢や少女にかたどり、方位では西に配する。

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精選版 日本国語大辞典 「兌」の意味・読み・例文・類語

だ【兌】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「だ」は「兌(たい)」の慣用音 ) 易の八卦(はっけ)一つ。算木でとかたどる。また、六十四卦の一つ。。沢を表わし、喜悦の徳を示す。方角では酉(とり)、すなわち西方に当たる。
    1. [初出の実例]「兌(ダ)中断ととってだだぼたの兌(ダ)の卦に当る」(出典浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)座摩社)
    2. [その他の文献]〔易経‐兌卦〕

兌の補助注記

兌換」「発兌」などの取引に関する「兌」は、唐宋以後の俗用。

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普及版 字通 「兌」の読み・字形・画数・意味


7画

(異体字)
6画

[字音] ダ・エツ・タイ・エイ
[字訓] よろこぶ・かえる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
(八)+兄。兄は巫祝祝詞を入れた器((さい))を戴く人の形。はその上に神気の彷彿として下る意を示す。そのとき巫祝は神がかりとなり、脱我・忘我の状態となる。その(しようこう)の状態を(悦)という。〔説文〕八下に「(よろこ)ぶなり」と訓し、字を(えん)声とするが、字は兄に従う字である。の状態にあることを示す字であるから、(脱)・(説)などは兌に従う。

[訓義]
1. よろこぶ。
2. われを失う、脱する。
3. とおる。
4. かえる、ひきかえる。
5. 易卦の一、方位は西。

[古辞書の訓]
名義抄〕兌 ヨロコブ・ニシ

[声系]
〔説文〕に兌声として(税)・(閲)・蛻・(鋭)など十七字を収める。おおむね兌の声義を承ける字である。

[語系]
兌・奪()duatは同声。thuat、また・太thatは声近く、(たつ)は子羊が脱然として生まれ落ちる形で、そのさまを(達)という。太はと同じく、水でゆすり洗う意。みな声義に通ずるところがあり、一系の語である。

[熟語]
兌利兌運兌音・兌換兌款兌給兌銀兌条兌銭兌租兌付・兌便
[下接語]
開兌・商兌・折兌・佞兌・孚兌・遊兌・和兌

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占い用語集 「兌」の解説

八卦の一つ。一番上だけが陰爻のもの。自然界では「沢」、卦徳は「悦」、人では「少女」、属性は「金」、身体では「口」、易数は「2」、方角では「西」をあらわす。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【易】より

…左の掌中にある筮竹を右手で8本ずつ除去していき,小指の分も入れて残りが8本以内になったらやめる。残りが1本なら☰乾(けん)(天),2本なら☱兌(だ)(沢),3本なら☲離(火),4本なら☳震(雷),5本なら☴巽(そん)(風),6本なら☵坎(かん)(水),7本なら☶艮(ごん)(山),8本なら☷坤(こん)(地)。これで内卦(六爻(こう)の下半分)が得られた。…

※「兌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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