免鳥長山古墳(読み)めんどりながやまこふん

日本歴史地名大系 「免鳥長山古墳」の解説

免鳥長山古墳
めんどりながやまこふん

[現在地名]福井市免鳥町

低丘陵上で総数五基が分布する免鳥古墳群の中核的存在(五号墳)。平成二年(一九九〇)の福井市教育委員会の分布調査による発見後、同一四から一六年に史跡指定に伴う事前確認調査が実施された。

墳形は南面の帆立貝形古墳。墳丘主軸に斜交する形で、後円部の北西部・北東部の二ヵ所に長方形の造出し部をも付設する。墳丘は二段築成で、葺石埴輪(III期)をそなえる。調査により、墳丘長約九一メートルの五世紀前半の古墳であることが確認された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「免鳥長山古墳」の解説

めんどりながやまこふん【免鳥長山古墳】


福井県福井市免鳥町にある帆立貝式古墳。越前海岸から約900m内陸にある小山の上に位置する。5世紀前半に築造された全長90.5mの墳丘は残存状態が良好で、東西に2基の造り出し部が付属する。後円部は2段築成で葺石(ふきいし)をほどこし、墳丘平坦面に埴輪(はにわ)を並べる。後円部墳頂の盗掘坑内から装飾をもつ舟形石棺の蓋材が出土したが、石材は越前固有の凝灰岩、笏谷石(しゃくだにいし)と推定されている。非常に珍しい環頭形石製品なども出土している。古墳時代前期後半から中期の越前の大型首長墓は、いずれもここから東へ約20km離れた九頭竜(くずりゅう)川中流域の福井平野の東端にあるが、そのなかでこの古墳だけが海岸付近に築造されたことは、当時の越前地域の政治・社会状況を知るうえで重要であることなどから、2008年(平成20)に国の史跡に指定された。JR北陸本線ほか福井駅から車で約50分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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