児雷也(読み)じらいや

百科事典マイペディアの解説

児雷也【じらいや】

自来也とも記す。草双紙(くさぞうし),歌舞伎に現れる怪盗。中国明代の小説に,出没自在で,襲った家の門扉に〈我来也(われきたれるなり)〉と記して去る我来也(がらいや)という怪盗のことがあり,これを翻案してこの主人公が作られた。児雷也は蝦蟇(がま)の術を使い,蛇(へび)の術を使う大蛇(おろち)丸,蛞蝓(なめくじ)の術を使う綱手(お綱)といわゆる三すくみ妖術(ようじゅつ)争いを展開する。歌舞伎では,美図垣笑顔作の草双紙を河竹黙阿弥が脚色し,《児雷也豪傑物語》と題して1852年河原崎座で初演。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

児雷也 じらいや

読み本,歌舞伎の主人公。
自来也ともかく。もとは宋(そう)(中国)の「諧史」中の説話「我来也」。文化3年(1806)刊の感和亭鬼武(かんわてい-おにたけ)の読み本「自来也説話」では,蝦蟇(がま)の妖術をつかう盗賊として活躍,歌舞伎にも劇化された。美図垣笑顔(みずがき-えがお)らの合巻児雷也豪傑譚(ものがたり)」では,蝦蟇,大蛇(おろち)にくわえて蛞蝓(なめくじ)の妖術を配し,三すくみの設定になっている。

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世界大百科事典 第2版の解説

じらいや【児雷也】

読本,合巻,歌舞伎,映画などで活躍する義賊的な怪盗。〈自来也〉とも。もとは中国の小説に登場する〈我来也(がらいや)〉で,襲った家には,〈我来也(われきたれるなり)〉と書き残す盗賊。これを翻案した読本自来也説話(じらいやものがたり)》が出版されるや幻怪の構想が大いに人気を得,やがて合巻や歌舞伎などによって,蝦蟇(がま)の妖術を駆使して権力に立ち向かう児雷也像が,幕末から明治にかけての民衆世界に広く定着した。

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