精選版 日本国語大辞典 「八端」の意味・読み・例文・類語 はっ‐たん【八端・八反・八段】 〘 名詞 〙① 一段の八倍の広さ。一端の八倍の長さ。[初出の実例]「畿内挍田使 長官絁六疋。綿十四屯。布八端」(出典:延喜式(927)三〇)② 「はったんおり(八端織)」または「はったんがけ(八端掛)」の略。[初出の実例]「金々先生の出たち、八丈八たんの羽織、縞ちりめんの小そで、役者染めの下着」(出典:黄表紙・金々先生栄花夢(1775)) はち‐たん【八端・八反・八段】 〘 名詞 〙 ⇒はったん(八端) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「八端」の意味・わかりやすい解説 八端はったん 破れ斜文や山形斜文などの綾(あや)組織に織った絹織物で、縞(しま)、格子などの先染めにしたものや、捺染(なっせん)などの加工を施したものがある。この八端とは、八丈島で産出された八丈絹の帯織が八反掛け(一反をもって八反に換えることができるので、この名称がある)であることからきたとするものと、八反分をまとめて一機(ひとはた)で織ることからきたとするものがあるが、明らかでない。産地は主として山梨県の郡内地方であるが、最近では化学繊維を使って製織したものが各地にみられる。[角山幸洋] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例