公共物(読み)こうきょうぶつ

精選版 日本国語大辞典 「公共物」の意味・読み・例文・類語

こうきょう‐ぶつ【公共物】

  1. 〘 名詞 〙 公共のために用いられるもの。公衆共有物公共福祉用財産ほか道路河川水路、港湾その他、昭和二三年(一九四八)改正以前の国有財産法で、公共の用に供する財産ときめられていたものの総称現行の国有財産法における「公共用財産」にあたる。
    1. [初出の実例]「其財産を天然の公共物(コウキョウブツ)と思い」(出典福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉一身一家経済の由来)

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改訂新版 世界大百科事典 「公共物」の意味・わかりやすい解説

公共物 (こうきょうぶつ)

字義どおりに解すれば〈公共の物〉を意味するが,法制度上は,むしろ公物または国公有財産の観念がこの〈公共の物〉という観念に近い。法制度上の公共物の観念は,1948年公布の国有財産法において用いられたものである。すなわち,1921年公布の旧国有財産法では,〈国に於て直接公共の用に供し又は供するものと決定したるもの〉が公共用財産とされていたが,48年の国有財産法はこれを公共福祉用財産(公園,広場,記念物,国宝等)と公共物(公共福祉用財産以外のもの。河川,公有水面,道路等)に二分し,前者行政財産の一つとして位置づけたが,後者の法的取扱いには疑義が残された。そこで,64年の国有財産法改正で,両者を行政財産たる公共用財産として取り扱うことによって,疑義を取り除いた。
国有財産
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