法人の代表者や従業員が、法人の事業活動に関連して違法な行為をした場合、個人だけでなく法人も罰せられる。金融商品取引法は、有価証券報告書の虚偽記載について、実行行為者を10年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金、またはその両方を科すとし、法人は7億円以下の罰金と定める。個人が起訴猶予となっても、法人は起訴の対象となる。不正競争防止法や労働基準法なども両罰規定を設けている。
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法人企業や個人企業の業務に関して,法人の代表者や法人・個人の従業員(法令上〈従業者〉という)が法の定める違反行為をした場合に,その従業者と事業主体である法人・個人との両方を処罰する旨定めた規定をいう。刑法では現に違反を行った者を処罰するのが原則であるが,各種の企業活動に伴う違反活動の防止には,たまたま担当した従業者だけを処罰してみても効果的でない。そこで当初は従業者は処罰せず,また個人事業主と法人事業主とをそれぞれ別の規定によって処罰していた(事業主代罰規定,法人では法人代罰規定という)。法人企業では法人ではなくその代表者を処罰する規定(代表者代罰規定)が置かれたこともある。しかし1932年制定の資本逃避防止法以後は,個人事業主と法人事業主とをあわせて規定し,従業者も処罰して実効を高める両罰規定が一般化した。事業主が処罰される根拠は,かつては無過失責任によって従業者の責任が転嫁されるものと理解されたが,今日では責任主義の立場から選任・監督など違反行為を防止すべき義務を怠った過失に求められており,その推定をくつがえせば免責される。
→法人処罰
執筆者:田中 利幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
一般に処罰されるのは違反をした行為者その人であるが、行為者が法人の代表者や従業員であったり、他人の代理人、従業員であったりする場合には、その本人である法人や他人を同時に処罰する規定。一般に、行政法規違反を処罰する規定に、法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関し、……の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人または人に対しても各本条の罰金刑を科するという規定があるのが、そうである。行為者は禁錮、懲役刑に処せられる場合でも、法人や本人は罰金刑を科されるのみである。
[阿部泰隆]
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