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両罰規定 りょうばつきてい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

両罰規定
りょうばつきてい

業務主たる法人代表者や従業者,または業務主たる人の代理人や使用人そのほかの従業者が違反行為をした場合に,直接の実行行為者のほかに業務主たる法人または人をも罰する旨の規定。現在では業務主処罰規定および法人処罰規定のほとんどがこの形式をとる。行政刑法の領域ばかりでなく,売春防止法や人の健康にかかわる公害犯罪の処罰に関する法律などにおけるように,実質的に刑事犯と考えられる分野にもある。直接行為者の違反行為について業務主が責任を負わされる根拠については,かつては無過失責任説や過失擬制説も有力であったが,最高裁は過失推定説を採用し,両罰規定の適用においては,行為者の選任,監督そのほか違反行為を防止するために必要な注意を尽さなかった業務主の過失の存在が推定されているとした。業務主が選任・監督上の注意を尽したことを立証すれば,刑事責任を免れることになる。

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デジタル大辞泉の解説

りょうばつ‐きてい〔リヤウバツ‐〕【両罰規定】

法人などの事業主体の代表者や従業者などが、業務に関して違反行為をした場合に、直接の違反者を罰するほか、その事業主体をも罰することを認めている規定。

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産学連携キーワード辞典の解説

両罰規定

「両罰規定」とは、有機的な組織機構を有する企業の内部における従業者等がその事業活動の一環として違反行為を行った場合に、事業主である法人又は個人をも処罰する規定のことをいう。特許権等の侵害行為においても一定の企業体の従業員がその企業体の業務に関してこれを行うことが少なくない実情にかんがみこの種の違反行為を防止することに資する趣旨で新設され、侵害罪、詐欺の行為等に適用されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

りょうばつきてい【両罰規定】

法人企業や個人企業の業務に関して,法人の代表者や法人・個人の従業員(法令上〈従業者〉という)が法の定める違反行為をした場合に,その従業者と事業主体である法人・個人との両方を処罰する旨定めた規定をいう。刑法では現に違反を行った者を処罰するのが原則であるが,各種の企業活動に伴う違反活動の防止には,たまたま担当した従業者だけを処罰してみても効果的でない。そこで当初は従業者は処罰せず,また個人事業主と法人事業主とをそれぞれ別の規定によって処罰していた(事業主代罰規定,法人では法人代罰規定という)。

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大辞林 第三版の解説

りょうばつきてい【両罰規定】

従業者が業務に関して違法行為をした場合に、その従業者とともに事業主をも罰する旨の規定。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

両罰規定
りょうばつきてい

一般に処罰されるのは違反をした行為者その人であるが、行為者が法人の代表者や従業員であったり、他人の代理人、従業員であったりする場合には、その本人である法人や他人を同時に処罰する規定。一般に、行政法規違反を処罰する規定に、法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関し、……の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人または人に対しても各本条の罰金刑を科するという規定があるのが、そうである。行為者は禁錮、懲役刑に処せられる場合でも、法人や本人は罰金刑を科されるのみである。[阿部泰隆]

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