公益通報制度(読み)こうえきつうほうせいど

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公益通報制度
こうえきつうほうせいど

国民生活の安心や安全を脅かすことになる事業者(国や自治体を含む)の法令違反の発生と被害の防止を図る観点から、公益のために違反行為を通報した内部労働者(公務員を含む)を保護し、解雇などの不利益な取扱いを禁止する制度。2006年(平成18)4月施行の公益通報者保護法(平成16年法律第122号)に基づく。正式名称は公益通報者保護制度。これにより、国の行政機関、地方自治体、企業などには公益通報窓口が設置され、活用されるようになった。
 消費者庁が行った、行政機関における2011年度の公益通報者保護法施行状況調査によると、2011年度末時点で、すべての府省庁と都道府県庁で内部職員等からの通報・相談窓口を設置しているが、市区町村では設置機関は852で、全体の49.2%にとどまった。また、全政令指定都市で受けた通報631件のうち、9割近い561件を大阪市が占め、大阪市では調査に着手したのが314件、うち是正措置が講じられたのはわずか5件であった。2012年12月、大阪の市立高校の運動部主将が体罰を苦にして自殺した事件でも、市の窓口には以前から体罰問題についての通報が寄せられていた。しかし、多くの通報の中に埋もれてしまい調査が行われていなかった。[編集部]

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デジタル大辞泉の解説

こうえきつうほう‐せいど【公益通報制度】

公益を守るために、企業や行政機関の法令違反行為に関する通報を受け付け、調査を行い、是正を図るとともに、通報者の保護を図る仕組み。→公益通報者保護制度

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