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公益通報者保護法 こうえきつうほうしゃほごほう

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

公益通報者保護法

公益通報者の保護を図る法律公益通報を行なおうと考えている者が、会社からの報復人事を恐れて公益通報できないのではないか、という危惧から作られた。「公益通報をしたことを理由による公益通報者解雇の無効」と、「公益通報に関する、事業者と行政の対応措置」の規定から構成されている。保護されうる公益通報者には、労働者、派遣労働者、さらに、請負契約に基づいて事業を行なう労働者がある。また、保護の内容として、公益通報したことを理由とする「解雇」「労働者派遣契約の解除」の無効や、その他の不利益な扱い(降格減給など)の禁止があげられている。2004年に国会を通過し、06年から施行されている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

公益通報者保護法

企業や役所不祥事内部告発した人を保護する目的で、2006年4月に施行された。公益通報について、犯罪刑罰につながる法令違反に関する内部告発としている。通報を理由とした免職や降格、減給などの不利益な扱いをすることも禁じている。通報者に対しては、他人の正当な利益や公共の利益を害さないよう努めるよう求めている。一方で、通報するための情報の入手方法に関する制限は明記されていない。

(2015-12-05 朝日新聞 朝刊 1社会)

公益通報者保護法

組織内の犯罪など不正を勤務先内部通報したり、行政機関報道機関などに内部告発したりしたことを理由に、解雇や降格、減給などの不利益な扱いをすることを禁じた法律。2006年4月に施行された。 同法を所管する消費者庁は昨年6月、弁護士学者、企業人、内部告発経験者らによる検討会を設置。告発した人の保護を手厚くし、対象を広げるなど法改正の必要性について議論してきた。

(2016-12-05 朝日新聞 朝刊 1総合)

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デジタル大辞泉の解説

こうえきつうほうしゃほご‐ほう〔‐ハフ〕【公益通報者保護法】

団体、企業などの不正を内部から告発しやすい環境を整え、かつ告発者を解雇・降格などから保護するための法律。平成16年(2004)公布、平成18年(2006)施行。

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百科事典マイペディアの解説

公益通報者保護法【こうえきつうほうしゃほごほう】

自動車のリコール隠しや食品の偽装表示など,企業の不祥事が内部告発により相次いで明らかになったことに鑑み,内部告発をした〈公益通報者〉が職場で不利益な取扱いを受けることを防ぐ目的で公益通報者保護法(2004年6月)が制定された。
→関連項目コンプライアンス

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公益通報者保護法
こうえきつうほうしゃほごほう

公益通報をした労働者(公益通報者)を解雇等の不利益な取扱いから保護するための法律。平成16年法律第122号。2006年(平成18)4月1日施行。
 多数の不祥事がいわゆる内部告発で露見している。それは公益に寄与するが、労働者は解雇などの危険にさらされる。他方、誤った通報により、企業の正当な利益が害されることがあるため、これを防止することも必要である。そこで、この法律は、下記の要件を満たす一定の通報を公益通報と称して通報者を保護し、この均衡を図ろうとしている。
 保護される公益通報の対象は、以下の事実が生じ、またはまさに生じようとしている場合に限る。
(1)個人の生命または身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保その他の国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律として別表に掲げるもの(これらの法律に基づく命令を含む)に規定する罪の犯罪行為の事実。
(2)別表に掲げる法律の規定に基づく処分に違反することが(1)の事実となる場合における当該処分の理由とされている事実など。
 そして別表では、これにかかわる法律を、刑法、食品衛生法、金融商品取引法、JAS(ジャス)法、大気汚染防止法、廃棄物処理法、個人情報保護法、その他「政令で定めるもの」とし、400本以上の法律が通報対象となっている。
 また、どんな通報でも保護されるわけではなく、通報先に応じて保護要件が設定されている。
(1)事業者内部 (a)不正の目的でないこと。
(2)行政機関 (a)のほか、(b)真実相当性を有すること。
(3)事業者外部 (a)および(b)のほか、(c)一定の要件(内部通報では証拠隠滅のおそれがあること、書面による内部通報後20日以内に調査を行う旨の通知がないこと、人の生命・身体への危害が発生する急迫した危険があることなど)を満たすこと。
 こうした要件を満たす公益通報をした労働者(公務員を含む)の保護の方法は、(1)公益通報をしたことを理由とする解雇の無効、(2)労働者派遣契約の解除の無効、(3)その他の不利益な取扱い(降格、減給、派遣労働者の交代を求めること等)の禁止である。労働契約法第16条(「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」=解雇権濫用の法理)の適用を後退させるのではないかとの不安がないように、その適用を妨げないとの注意規定が置かれている。また、同法第14条の出向、同法第15条の懲戒の権利濫用についても、同様の注意規定がある。なお、取引先が通報した場合の保護規定はない。
 これは保護される通報要件が厳格すぎ、また、通報して公益に寄与しても、通報者のリスク(危険)が大きすぎるので、公益通報抑制法であるとの批判が少なくない。
 本法は、施行後になされた公益通報についてだけ適用される。[阿部泰隆]
『阿部泰隆著『内部告発(ホイッスルブロウワァー)の法的設計――社会浄化のための内部告発者保護と褒賞金制度の設計』(2003・信山社出版、大学図書発売) ▽浜辺陽一郎著『内部通報制度――仕組み作りと問題処理』(2004・東洋経済新報社) ▽奥山俊宏著『内部告発の力――公益通報者保護法は何を守るのか』(2004・現代人文社、大学図書発売) ▽中原健夫・結城大輔著『公益通報者保護法が企業を変える――内部通報システムの戦略的構築と専門家の活用』(2005・金融財政事情研究会、きんざい発売) ▽日本弁護士連合会消費者問題対策委員会編『通報者のための公益通報ハンドブック』(2005・民事法研究会)』

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