内部経済(読み)ナイブケイザイ

精選版 日本国語大辞典 「内部経済」の意味・読み・例文・類語

ないぶ‐けいざい【内部経済】

  1. 〘 名詞 〙 イギリス経済学者マーシャルが生産規模拡大に伴う生産費低下を説明するために使用した概念一つ個々の企業自体が直接支配できる要因(新機械の導入経営合理化など)を動かして能率を高めることをいう。
    1. [初出の実例]「新古典派の経済学体系は、内部経済(internal economies)とともに外部経済(external economies)が生じる経済を前提していた」(出典:現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉III )

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「内部経済」の意味・わかりやすい解説

内部経済
ないぶけいざい
internal economies

A.マーシャルが用いた概念で,大規模生産が企業内部コストを切下げることによって生じる経済的利益をいう。外部経済に対する概念。大規模生産は,機械化あるいは生産管理の集中化による経営の合理化,作業の特殊専門化による労働生産性の向上,小企業より金融の便が得やすいこと,さらに大量安価な原材料の購入が可能になるなどの利点がある。逆に生産規模の拡大に伴い,組織が大きくなりすぎたために組織の管理能力や統制の乱れによって生じるマイナスの効果を「内部不経済」という。

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世界大百科事典(旧版)内の内部経済の言及

【外部経済・外部不経済】より

A.マーシャルは,産業の規模が拡大することによりその産業内の企業の生産効率が高まることを外部経済と呼び,企業の規模が拡大することによりその企業自身の生産効率が高まることを内部経済internal economiesと呼んだ。後者は企業の生産技術における規模に関する収穫逓増に対応する。…

※「内部経済」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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