出口戦略(読み)でぐちせんりゃく(英語表記)exit strategy

日本大百科全書(ニッポニカ)「出口戦略」の解説

出口戦略
でぐちせんりゃく
exit strategy

軍事用語で戦場から兵を引き揚げる際、人命や物資の損失を最小限に抑えるための撤退作戦。ベトナム戦争時にアメリカ国防総省内で使用されたのがこの語の始まりとされている。転じて、金融緩和や財政支出によって景気が浮揚したと判断し、金融引締め、財政支出削減に転換することをさす経済政策用語として頻繁に使用されている。市場に大きなショックを与えず、持続的な経済成長へ導くよう軟着陸 (ソフトランディング)させることが優れた出口戦略であるとされ、誤ると景気は後退し、ふたたび金融緩和、財政支出拡大に舵(かじ)を取らざるを得なくなる。

 2000年代の日本は出口戦略につまずくことが多く、そのことがデフレ経済の長期化を招いたとされている。2012年(平成24)12月に発足した第二次安倍晋三(あべしんぞう)内閣のもとで、日本銀行は量的・質的金融緩和を行い、政府は財政支出を拡大させた。過去の失敗に学び、市場の動向をみながら的確な出口戦略を実行できるかどうかが問われている。

[編集部]

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デジタル大辞泉「出口戦略」の解説

でぐち‐せんりゃく【出口戦略】

軍事行動で、軍隊の損害を最小限にとどめて戦線から撤退するための作戦。撤退作戦。
1から転じて)不況、競争激化などから収益減の見込みとなり、企業が損害の少ないうちに規模を縮小または撤退するための方策。また、投資した株式・債権などを売却して資金を引き上げることをもいう。
出口政策
[補説]1は、ベトナム戦争時に米軍を撤退させる作戦をさして使ったのが始まりという。

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