出面(読み)デヅラ

デジタル大辞泉 「出面」の意味・読み・例文・類語

で‐づら【出面/出頰】

《顔を出すことによって与えられる金銭の意》日雇労働者などの日当。でめん。
顔出しをすること。出席すること。
「あのざまで此の中へ―は何事と、一度にどっと笑ふ声」〈浄・百人上﨟〉

で‐めん【出面】

でづら1」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「出面」の意味・読み・例文・類語

で‐めん【出面】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 時間による賃労働や、日雇の労働。また、その労働者。
    1. [初出の実例]「漁夫達や、女でめん(女労働者)や、海産物の仲買と云ったやうな人々が」(出典:生れ出づる悩み(1918)〈有島武郎〉八)
    2. 「半日出面(デメン)せいぜいで」(出典:茂次郎の話(1930)〈岡田三郎〉)
  3. でづら(出面)
    1. [初出の実例]「町へ一日、二日の『出面(デメン)』を取りに行ってゐるものも休んで出迎へた」(出典:不在地主(1929)〈小林多喜二〉四)

で‐づら【出面・出頬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 顔出しをすること。出席すること。また、その時。顔出し。出番。
    1. [初出の実例]「あのさまで此中へ出(デ)づらは何ごとと」(出典:浄瑠璃・最明寺殿百人上臈(1699)女勢揃へ)
  3. 日雇労働者賃金。でめん。
    1. [初出の実例]「出面(デヅラ)、一日八十銭やいうたかてやな」(出典:真空地帯(1952)〈野間宏〉六)

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