別所毅彦(読み)ベッショタケヒコ

デジタル大辞泉 「別所毅彦」の意味・読み・例文・類語

べっしょ‐たけひこ【別所毅彦】

[1922~1999]プロ野球選手・監督兵庫の生まれ。昭和17年(1942)南海福岡ソフトバンク前身)に投手として入団。同22年には30勝で最多勝利をあげ、沢村賞受賞第1号となる。同24年に巨人移籍後もエースとして活躍。17年間で20勝以上を8回記録。通算310勝をあげた。引退後はヤクルトなどで監督を務めた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「別所毅彦」の意味・わかりやすい解説

別所毅彦
べっしょたけひこ
(1922―1999)

プロ野球選手(投手:右投右打)、監督。10月1日、兵庫県生まれ。滝川中(現、滝川高)では2年連続で選抜大会に出場した。1941年(昭和16)の大会では準々決勝の岐阜商戦でサヨナラ負けを喫したが、9回攻撃中に走塁左腕を骨折したにもかかわらず、左腕を包帯で吊(つ)って延長12回途中まで投げ続けた話はよく知られている。日本大学を中退後、1942年に南海(のち南海ホークス、現、福岡ソフトバンクホークス)へ入団。181センチメートルの長身から繰り出す豪球を武器に、翌1943年にはノーヒットノーランを達成した。1947年は最多勝利と最多奪三振の二冠王となり、沢村賞の第一号受賞者となる栄誉に浴した。1949年に読売ジャイアンツ(巨人)へ移籍、1960年に引退するまで20勝以上を6回記録、最多勝利の1952年と1956年はいずれも最高殊勲選手(現、最優秀選手)に選ばれた。また、最優秀防御率投手となった1955年には2回目の沢村賞も受賞した。歴代5位の通算310勝をあげ、1947年に記録した年間47完投はプロ野球記録(2015年時点)であり、その間故障らしい故障はまったくなく、タフネスぶりを発揮した。1968年から1970年までサンケイアトムズ(1970年はヤクルトアトムズ、現、東京ヤクルトスワローズ)の監督を務めた。

[出村義和 2016年9月16日]

 選手としての実働17年間の通算成績は、登板試合662、投球回4350と3分の2、310勝178敗、防御率2.18、奪三振1934、完投335、完封72。獲得したおもなタイトルは、最多勝利3回、最高勝率1回、最優秀防御率1回、最多奪三振1回、最高殊勲選手(現、最優秀選手)2回、沢村賞2回、ベストナイン6回。監督としての通算成績(3年)は、342試合、143勝190敗9分け、勝率4割2分9厘。1979年(昭和54)野球殿堂野球殿堂博物館)入り。

[編集部 2016年9月16日]

『別所毅彦著『剛球唸る!』(1989・ベースボール・マガジン社)』

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20世紀日本人名事典 「別所毅彦」の解説

別所 毅彦
ベッショ タケヒコ

昭和期のプロ野球選手,野球評論家



生年
大正11(1922)年10月1日

没年
平成11(1999)年6月24日

出生地
兵庫県神戸市

旧姓(旧名)
別所

学歴〔年〕
滝川中〔昭和17年〕卒,日本大学中退

主な受賞名〔年〕
沢村賞〔昭和22・30年〕,スポーツ功労者〔平成4年〕

経歴
滝川中時代、2年連続選抜出場。卒業後、日本大学に入るが、昭和17年投手として南海に入団。18年5月対大和戦でノーヒットノーランを達成。戦後、21年グレートリング(南海)に復帰。24年いわゆる“別所引き抜き事件”で巨人に移籍。剛速球のエースとして活躍、34年には史上2人目の300勝投手に。最優秀選手(MVP)2回、最多勝3回、防御率1位1回。現役17年間で310勝178敗、1934奪三振、防御率2.18。シーズン47試合完投の記録も持つ。36年現役を引退、巨人、大洋コーチ、サンケイ監督を務めた後、野球評論家。54年殿堂入り。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「別所毅彦」の解説

別所毅彦 べっしょ-たけひこ

1922-1999 昭和時代のプロ野球選手,監督。
大正11年10月1日生まれ。滝川中学のエースとして4番青田昇とのコンビで甲子園で活躍。昭和17年南海に入団。22年最多完投47を記録。24年巨人に引き抜かれ,別所事件とさわがれる。豪速球投手として20勝以上を8回記録。実働17年,通算310勝178敗,防御率2.18。43-45年サンケイ監督をつとめた。54年野球殿堂入り。平成11年6月24日死去。76歳。兵庫県出身。

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367日誕生日大事典 「別所毅彦」の解説

別所 毅彦 (べっしょ たけひこ)

生年月日:1922年10月1日
昭和時代の野球評論家;元・プロ野球選手
1999年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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