前行(読み)ぜんこう

精選版 日本国語大辞典 「前行」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐こう ‥カウ【前行】

〘名〙
① 前に進むこと。前進すること。進歩
兵範記‐保元二年(1157)八月一九日「次納言以下、為下臈門、渡大臣前北前行」 〔晉書‐長沙王乂伝〕
② 人より先に行くこと。先立って行くこと。また、軍隊などの先鋒先行
※新撰朗詠(12C前)上「前行を告ぐるに似たり浪に臨む夕 帰路に迷はむと欲(す)雲に隠るる秋〈菅原忠貞〉」 〔呉子‐応変〕
行幸のとき、天皇御前に立って案内する役。
※玉葉‐仁安元年(1166)一一月三日「公卿為騎馬前行」 〔漢書‐終軍伝〕
④ 以前の行ない。さきの行為。先行。
福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉老余の半生君子既往を語らず、前言前行(ゼンカウ)は唯戯れのみと」 〔管子‐制分〕

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デジタル大辞泉 「前行」の意味・読み・例文・類語

ぜん‐こう〔‐カウ〕【前行】

前に進むこと。前進。
他に先だって行くこと。また、軍隊の先鋒せんぽう
以前の行い。「前言前行
行幸のとき、御前に立って案内する役。
高御座たかみくらの行幸に、―とかや何とかやいふことなど勤め給ふ」〈増鏡久米のさら山〉

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普及版 字通 「前行」の読み・字形・画数・意味

【前行】ぜんこう(かう)

すすむ。前鋒。また、従前の行為。〔子、議兵〕武王の紂(ちう)を誅するや、甲子を以て、而る後之れにつに非ざるなり。皆行素(もと)より脩むるなり。此れ謂(いはゆる)仁義の兵なりと。

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