割栗石(読み)わりぐりいし

精選版 日本国語大辞典 「割栗石」の意味・読み・例文・類語

わりぐり‐いし【割栗石】

  1. 〘 名詞 〙 基礎工事地盤の固めに用いる、あまり大きくない割石(わりいし)。わりぐり。〔日本建築辞彙(1906)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「割栗石」の意味・わかりやすい解説

割栗石 (わりぐりいし)

基礎工事などに用いられる直径12~20cmくらいの砕石河原にある直径10~15cmくらいの丸石をくり石と呼んでいたことから,この名が出たものと考えられる。道路や塀,垣や,建造物の基礎工事を行うとき,地盤を締め固める目的で割りぐり石を用いた割りぐり地業が行われる。割りぐり地業は,まず地盤を平らに整えた後,割りぐり石をこばだてにたてて密に並べ,切込砂利という,砂を混ぜた砂利をその隙間に目つぶしとしてつめ,人力またはランマーなどで突き固めたもので,一般にその上にコンクリート(捨てコンクリートと呼ばれる)が打たれる。建造物の基礎底面には,この割りぐり地業が半ば慣習的に行われているが,大きな耐力が地盤に期待される場合にはむしろ地盤を荒らすことになりかねないので,厚い捨てコンクリートを打ったほうがよい場合もある。逆に杭を打たねばならない悪い地質の場合や,粘性土など耐力はあるが雨水によって表面がぬかるむ地盤では,人がその上で施工作業を支障なく行うために,この割りぐり地業を行って地質を固める必要がある。
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リフォーム用語集 「割栗石」の解説

割栗石

建築物の基礎などに使う、12?15cmほどの砕石の事。基礎コンクリートと地盤をつなぐために用いられる。頑丈な基礎を作るため、石の細長いほうを縦にして並べていき、さらにそのすき間を目つぶし砂利と呼ばれる砂利で埋めて、その上からコンクリートを打つことが多い。

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百科事典マイペディア 「割栗石」の意味・わかりやすい解説

割栗石【わりぐりいし】

岩石玉石を割った直径10〜20cmの砕石。基礎工事の地盤改良などに利用

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世界大百科事典(旧版)内の割栗石の言及

【石材】より

…国内では福島県黒石山(浮金石),山口県須佐に産するがいずれも小規模であり,ほとんどが墓石材で建築用はもっぱら輸入材に頼る(〈御影石〉の項目参照)。(2)安山岩 日本には大量に分布しているが,美しさや強度の点で花コウ岩に及ばず,おもに土木用の割りぐり石や砕石などに利用されている。安山岩には節理が発達し,板状節理に沿って薄くはげる長野県諏訪の鉄平石は,その外観の味わいから建築,特に住宅に広く利用されている。…

※「割栗石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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