劉安(読み)りゅうあん(英語表記)Liú Ān

精選版 日本国語大辞典 「劉安」の意味・読み・例文・類語

りゅう‐あん リウ‥【劉安】

中国、漢の高祖の孫。淮南(わいなん)王に封ぜられた。文学・方術を好み多く学者文人食客として抱え、「淮南子」二一巻を編纂した。芸文を好んだ武帝に尊重されていたが、のち謀反の罪にとわれ自殺。前一二二年没。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「劉安」の意味・読み・例文・類語

りゅう‐あん〔リウ‐〕【劉安】

[前179~前122]中国、前漢の学者。漢の高祖の孫。淮南わいなん王。学者数千人を招いて「淮南子えなんじ」を編纂へんさん。のち、謀反が発覚して自殺。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「劉安」の意味・わかりやすい解説

劉安 (りゅうあん)
Liú Ān
生没年:?-前122

中国,漢の高祖の孫。父の淮南(わいなん)王劉長は,謀反の罪で流刑に処せられて餓死した。父の死後王位をついだ彼は,呉楚七国の乱(前154)に呉に呼応して挙兵をはかるも果たさず,以後くり返し謀反の隙をうかがったが,やがて計画が中央に漏れ捕らえられて自殺した。生来,読書や弾琴を好み,周囲に数千人の食客を集めて書物の編纂を行っているが,今日に伝わる《淮南子(えなんじ)》はそのわずかに残った1部である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「劉安」の意味・わかりやすい解説

劉安
りゅうあん
Liu An

[生]文帝1(前179)?.江蘇
[没]元狩1(前122)
中国,前漢高祖の孫で,淮南王。『淮南子』の撰者。呉楚七国とともに景帝に対して謀反を企てて果たさず (→呉楚七国の乱 ) ,のちに多くの士を養って武帝の時代に再び挙兵しようとしたが,事前に発覚し,捕えられて自殺した。学を好み,多くの賓客とともに『内書』 21編,『中書』8編,『外書』 23編を著した。『淮南子』はその一部である『内書』にあたる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の劉安の言及

【淮南子】より

…前漢の宗室の一人である淮南(わいなん)王劉安(前179‐前122)編の書物。全21編。…

※「劉安」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android