交流回路の有効電力と皮相電力との比。交流回路に抵抗器のほかにキャパシター(キャパシタンスを生じるもの。おもにコンデンサー)やインダクター(インダクタンスを生じるもの。おもにコイル)が含まれている場合、抵抗器を流れる電流は熱を発生して電気エネルギーを消費するのに対し、キャパシターやインダクターのなかでは、エネルギーは蓄積、放出を繰り返すだけで消費されない。したがって電圧と電流の積で表される量は有効な電力を表すものではなく、見かけの電力を表しているにすぎない。これを皮相電力とよんでいる。有効な電力(有効電力または単に電力という)は、一般に皮相電力より小さい。そこで有効電力と皮相電力との比を力率とよんでいる。力率は一般に1より小さいが、電圧と電流の位相があっているときは1になる。交流(正弦波)においては、電圧と電流の間の位相差をθ(シータ)ラジアンとすると、力率はcosθに等しい。割合を示す量なので、単位はない(無次元量)。百分率で示すとき、単位はパーセント(%)。
[布施 正・吉澤昌純]
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…交流の場合には電流,電圧の実効値(振幅の1/倍)をそれぞれI,Vとし,両者の位相差をφとすれば,平均の仕事率はIVcosφとなる。cosφを力率という。電力×時間を電力量というが,電力量は電気によって供給されたエネルギーを表し,W・s(J)で測られる。…
… 直流では電圧,電流とも一定であるから瞬時電力と有効電力は等しい。交流の場合,電圧,電流の実効値をV,I,電圧と電流の位相差をφとすると,有効電力はVIcosφで与えられcosφを力率という。交流ではさらにVIを皮相電力といい,VIsinφを無効電力と呼んでいる。…
※「力率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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