デジタル大辞泉
「誘導電動機」の意味・読み・例文・類語
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ゆうどう‐でんどうきイウダウ‥【誘導電動機】
- 〘 名詞 〙 交流電動機の一つ。回転する磁場の中に銅の棒で作った回転子を入れ、誘導電流と回転する磁場の相互作用で回転子が回転するようにしたもの。故障が少ないので使用しやすく、工場や家庭用として用いられる。単相、多相の別、かご形、巻線形の別がある。誘導モータ。
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誘導電動機【ゆうどうでんどうき】
インダクションモーターとも。回転磁界をつくる固定子と,その内部にあって回転する回転子とからなる交流電動機。固定子は鉄心の内側の溝に固定子巻線を絶縁しておさめ,回転子は鉄心の外側の溝に導線をはめこみ,導線の両端を金属環(短絡環)で連結した構造になっている。3組のコイルを互いに120°の角度で固定して,三相交流を流すと,合成磁場は方向だけがある一定の速度(同期速度)で回転する。したがって,回転子の導線には電磁誘導による誘導電流が流れ,この電流と固定子の磁束の相互作用でトルクが生じ,磁場の回転につれて回転子が回転する。回転子の構造で籠(かご)形と巻線形があり,使用電源により単相と三相がある。また始動巻線に蓄電器を直列に入れたまま運転するものをコンデンサーモーターという。丈夫である,保守が簡単,安価などの長所をもち,電動機中で最も広く使われる。工場では三相誘導電動機が,家庭用には扇風機,電気洗濯機,電気冷蔵庫などに単相誘導電動機が用いられる。
→関連項目扇風機|リニアモーター
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誘導電動機
ゆうどうでんどうき
induction motor
交流電動機の一種。巻線構造をもった固定子に交流電圧を加えることで回転磁界をつくり,その磁界により回転子に誘導起電力が発生し,その起電力による電流と回転磁界の相互作用により回転磁界と同方向に回転力が生じ,回転子が回転する。回転子が回転磁界と同じ速さ,すなわち同期速度で回転すると,もはや磁束は回転子導体を切らないので,回転子電流は0となり,回転力もなくなる。それゆえ,誘導電動機の回転速度は必ず同期速度以下である。同期回転速度を n0 ,回転速度を n とすると,S=(n0-n)/n0 を「すべり」と呼ぶ。すべりは負荷が増加すると大きくなる。回転子の構造により,籠型,巻線型,その他あり,相数により,単相,三相がある。構造が簡単,低廉で,ほぼ一定の回転速度が必要な場合の電動機として広く使用されている。
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世界大百科事典(旧版)内の誘導電動機の言及
【テスラ】より
…誘導電動機を発明し交流技術を完成した電気工学者で,天才肌の発明家であった。クロアチアのスミリャンに生まれ,グラーツ工業学校とプラハ大学で学び,ブダペストの電信局に勤めた。…
【電動機】より
…直流電源に接続して運転される電動機を直流電動機といい,交流電源に接続して運転される電動機を交流電動機という。交流電動機には誘導電動機,同期電動機,交流整流子電動機の3種類があり,それぞれ単相,多相(通常は三相)の別がある。直流直巻電動機は電車の牽引用電動機として広く用いられているが,直列抵抗を入れて始動する代りに,直流チョッパー([サイリスター]などを用いて定電圧の直流から可変電圧の直流を得る装置)によって始動および速度制御を行う例が増えている。…
※「誘導電動機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」