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若者たちの力試し,力競べ用の石,およびその行為に対する呼称。番持石,重軽(おもかる)石,バンブチ,ハカリ石,沖縄ではサシ石などという。石の形は丸型か楕円型で,重さは60~70kgから200kg近く,持ち上げた人の名や重量を刻んだものもある。日頃は神社の境内,村境,集会所のそばなどに置かれている。持上げ方には,両手で頭上に差し挙げる,片手で挙げる,肩に乗せる,などがあった。少年の頃から練習をし,持ち上げることが一人前の資格として評定されることも多かった。しかし力石は,元来は石占(いしうら)の一種であった。石占には,石を高所に投げ上げたり,自分の背後で切った藁と石の長さを比べたり,石を持ち上げた時の軽重の感じで神意を判断する方法などがあったが,信仰の衰退により最後のものが若者の力石に転化したのである。なお,産飯(うぶめし)と共に供える小石のことを力石と呼ぶ地方もある。
執筆者:平山 和彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
力試し、力競べをするために使われた石。昔の農村の青年は米俵を担ぐなど力仕事をすることが多く、力試しをよくした。神社の境内などにある大きな石を持ち上げて力を競った。一人前の青年の資格として米俵を担いで一定の距離を歩かせることも行われた。岡山県真庭(まにわ)郡八束(やつか)村(現真庭市)に、大小の力石があり、青年が力競べをした。それには4種類の石があって、頭上まで上げるのをサシ石、肩までのものをカタゲ石、膝(ひざ)まで上げるのをヒザトリ石、いちばん重いのをチギリ石といって地面から離せばよいとしたという。力石には、重軽(おもかる)石といってこれで石占(いしうら)をするのが信州(長野県)など各地にある。病気のときなどこの石を持ち上げて軽ければすぐ全快し、重ければなかなか治らないと判ずるのである。力石には伝説として語られているものがある。兵庫県飾磨(しかま)郡荒川村(現姫路市)には、弁慶が書写(しょしゃ)山にいたころ、力を試したという石がある。
[大藤時彦]
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