助色団(読み)ジョショクダン

デジタル大辞泉 「助色団」の意味・読み・例文・類語

じょしょく‐だん【助色団】

染料などで、発色団と組になって、深くて濃い色を出す原因になる原子団アミノ基カルボキシル基など。

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精選版 日本国語大辞典 「助色団」の意味・読み・例文・類語

じょしょく‐だん【助色団】

  1. 〘 名詞 〙 色を出すもととなる染料の発色団と呼ばれる原子団に結びついて、深色効果濃色効果を高め、染着性を増進させる原子団。水酸基・アミノ基・カルボキシル基など。ドイツビット(Otto Nikolaus Witt)の発色説に基づいて定義づけられた。〔稿本化学語彙(1900)〕

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百科事典マイペディア 「助色団」の意味・わかりやすい解説

助色団【じょしょくだん】

有機化合物が色をもつためには,その分子内に共役二重結合をもった原子団(発色団)をもつことが必要であるが,さらに水酸基−OH,アミノ基−NH2,−NHR,カルボキシル基−COOH,スルホン酸基−SO3Hなどが加わると色が深くなったり,繊維に染まりやすくなる。これらの基を助色団といい,発色団の電子状態を変えて,色調を変化させる働きをする。多くは,塩をつくりやすい極性基である。

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化学辞典 第2版 「助色団」の解説

助色団
ジョショクダン
auxochrome

それ自体は紫外吸収をもたないが,発色団との相互作用によって色調を変化させる効果のある原子,または原子団.発色団のもつπ電子系の電子状態に影響を与えて色調をかえる.電子供与性の孤立電子対をもつ基(OH,OR,SH,NH2,NR2ハロゲン)や,電子求引性のカルボキシル基またはスルホ基が助色団となる.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「助色団」の意味・わかりやすい解説

助色団
じょしょくだん
auxochrome

色源体chromogen(発色団だけを含む物質)に導入して色の効果を高める基。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「助色団」の意味・わかりやすい解説

助色団
じょしょくだん
auxochrome

発色団と協力して色相深浅濃淡に影響を与えたり,繊維への染着性を与える原子団。染料の水酸基,アミノ基,カルボキシル基,スルホン基などをさす。

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改訂新版 世界大百科事典 「助色団」の意味・わかりやすい解説

助色団 (じょしょくだん)

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世界大百科事典(旧版)内の助色団の言及

【発色団】より

…芳香族化学,とくに染料の発色に関し,1876年にウィットOtto Nikolaus Witt(1853‐1915)が提唱した概念。彼は有機化合物が色をもつためには,第1に,分子内に不飽和結合を含む原子団である発色団が必要で,第2に,発色団が芳香族化合物に結合した色原体chromogenにさらに助色団auxochromeが結合して深い色の染料となり繊維に染着することができるとした。染着の現象は発色とはまったく別なので切り離して考えるべきだが,ウィットの発色団および助色団の概念は色素の化学構造と色の関係を知るうえに今日でも非常に便利である。…

※「助色団」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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