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発色団 はっしょくだんchromophore

翻訳|chromophore

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

発色団
はっしょくだん
chromophore

有機物の発色の原因となる原子団 (いずれもπ結合をもっている) をさす。 1876年 O.ウィットがベンゼン核に結合して発色する原子団としてニトロ基アゾ基カルボニル基にこの名称を与えたが,炭素-炭素二重結合,同じく三重結合,炭素-窒素多重結合,チオカルボニル基,ニトロソ基,アゾキシ基などもこれに属する。1分子中にこれらの基が1個存在しても発色する場合 (アゾ基) があるが,多くはこれらの基が複数でしかも共役した場合に発色する。しかしこの名称は染料化学における歴史的なものであり,現在の発色理論では基としてよりもπ電子共役系による吸収極大の位置 (可視部) と,その移動が問題とされている。

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百科事典マイペディアの解説

発色団【はっしょくだん】

有機化合物が色をもつためには,その分子内に不飽和結合を含む原子団の存在が必要とされ,この原子団を発色団という。アゾ基−N=N−,ニトロ基−NO2,ニトロソ基−N=O,カルボニル基>C=O,チオカルボニル基>C=S,カルビミノ基>C=NHなど。

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栄養・生化学辞典の解説

発色団

 化合物の構造の中で,その化合物に色を与える構造の部分.

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世界大百科事典 第2版の解説

はっしょくだん【発色団 chromophore】

芳香族化学,とくに染料の発色に関し,1876年にウィットOtto Nikolaus Witt(1853‐1915)が提唱した概念。彼は有機化合物が色をもつためには,第1に,分子内に不飽和結合を含む原子団である発色団が必要で,第2に,発色団が芳香族化合物に結合した色原体chromogenにさらに助色団auxochromeが結合して深い色の染料となり繊維に染着することができるとした。染着の現象は発色とはまったく別なので切り離して考えるべきだが,ウィットの発色団および助色団の概念は色素の化学構造と色の関係を知るうえに今日でも非常に便利である。

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大辞林 第三版の解説

はっしょくだん【発色団】

染料の色原体が発色する原因と考えられる原子団。カルボニル基・アゾ基・ニトロ基など。染色の機構を説明するために導入された概念。 → 助色団

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

発色団
はっしょくだん
chromophore

化合物が色をもつために必要と考えられている原子団のこと。
 1876年にドイツの化学者ウィットが発表した有機化合物の発色に関する理論では、色をもつためには物質分子中に発色団と称する原子団をもつことが必要であるとし、発色団を含む化合物を色源体chromogenと名づけた。色源体自身では色が薄く、しかも浅く、色素とはなりえないが、これに特定の基を導入すると、色は強度を増すうえに深くなり、さらに繊維に染着しやすくなって染料としての特質をもつようになるとし、このような働きをもつ基を助色団auxochromeと名づけた。この考え方は、発色団としては芳香環に結合した二重結合のある基や、助色団として極性の大きいイオン化できる基などを指示しているなど、現在の発色理論からみても合理的な点があり、これらの語が現在に至るまで用いられている。
 発色団となる原子団はいずれも不飽和結合を含んでいてπ(パイ)電子をもち、π電子が弱く束縛されているので、可視光線のエネルギーを吸収して励起され、色をもつようになる。たとえば、アゾベンゼンは発色団としてアゾ基をもっていて橙(だいだい)色であるが、助色団をもっていないので、色が薄く、また染着性もなくて染料にはならない。しかしこれにパラ位にアミノ基を入れた4-アミノアゾベンゼン(p(パラ)‐アミノアゾベンゼン)は、助色団が導入されたため黄色の染料となる(スダンエローRAとよばれている)。
 現在では量子力学による発色理論が発展し、物質による光の選択吸収の本質が解明され、発色団とは主として紫外部を含む光を吸収する原子または原子団をいい、助色団とは系内のπ電子の働きに影響を与える原子団をいうようになった。発色団に対する助色団の効果は、深色効果を示す(深色団)こともあれば、浅色効果を示す(浅色団)こともある。[中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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