勘定組頭(読み)カンジョウクミガシラ

デジタル大辞泉 「勘定組頭」の意味・読み・例文・類語

かんじょう‐くみがしら〔カンヂヤウ‐〕【勘定組頭】

江戸幕府職名勘定奉行に属し、勘定衆を指揮して勘定所事務を取り扱った。寛文4年(1664)設置

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精選版 日本国語大辞典 「勘定組頭」の意味・読み・例文・類語

かんじょう‐くみがしらカンヂャウ‥【勘定組頭】

  1. 〘 名詞 〙 江戸幕府の職名の一つ勘定奉行の下僚。寛文四年(一六六四)設置。勘定所の御殿(ごてんづめ)御勝手方伺方帳面方、御取箇方(おとりかがた)、および評定所各課の最高責任者として、配下の勘定衆を指揮し、勘定所の事務一切を遂行した。
    1. [初出の実例]「御勘定組頭之儀者、一躰御勝手向品々重き御用筋取扱候事に付」(出典:徳川禁令考‐前集・第二・巻一五・明和三年(1766)一二月)

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改訂新版 世界大百科事典 「勘定組頭」の意味・わかりやすい解説

勘定組頭 (かんじょうくみがしら)

江戸幕府勘定所内の役職の一つ。勘定奉行のもとで,勘定,支配勘定,同見習などの諸役人を支配し,農政・財政諸政策,およびそれに関する事務を担当した。ときには政策についての進言も行った。役職の設置年代については1664年(寛文4)説があるが,すでに1638年(寛永15)勘定組頭の名称がみられることからこの説にも疑問が出されており,現在のところ定説を得るに至っていない。72年9月に定員12名,役料100俵の規準を定めたが,その後82年(天和2)役料を廃した。当時の勘定組頭の構成は,御殿2名,上方4~7名,関東方4~8名であった。1722年(享保7)役高350俵となり,翌23年には上方・関東方という区分が廃止され,御殿詰,勝手方,取箇改,伺方,諸向勘定帳改の各部門に再編・整備され,各2~3名ずつ,計10~13名が配属された。この体制は,江戸末期に至るまで大きく改編されることはなかった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「勘定組頭」の意味・わかりやすい解説

勘定組頭
かんじょうくみがしら

江戸幕府勘定所内の役職の一つ。勘定奉行の下で勘定・支配勘定などの諸役人を支配し、農政と財政経理を担当した。1664年(寛文4)創設の史料もあるが、すでに寛永頃にこの名称がみられることから疑問である。1672年定員12名・役料100俵の基準を定めたが、1682年(天和2)役料を廃した。当時の構成は、御殿(ごてん)2名・上方(かみがた)4~7名・関東方4~8名。1722年(享保7)役高350俵となり、翌年上方・関東方の区分は廃止され、御殿詰・勝手方(かってかた)、取箇改(とりかあらため)・伺方(うかがいかた)・諸向(しょむき)勘定帳改に分課され、計10~13名の組頭が配属されて、ほぼこの体制は幕末まで続いた。

[大野瑞男]

『大野瑞男著『江戸幕府財政史論』(1996・吉川弘文館)』

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