北村 和夫(読み)キタムラ カズオ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「北村 和夫」の解説

北村 和夫
キタムラ カズオ


職業
俳優

生年月日
昭和2年 3月11日

出生地
東京市 小石川区竹早町(東京都文京区)

出身地
静岡県

学歴
日本大学三島校舎理工学部予科卒,早稲田大学文学部芸術科(演劇科)〔昭和26年〕卒,文学座附属演劇研究所〔昭和26年〕修了

経歴
医師の二男として生まれる。昭和19年東京都立第十一中学から研数専門学校、東京工業専門学校に進み、終戦を迎える。戦後は日本大学理工学部予科に学び、卒業直前に観た文学座公演「キティ颱風」に衝撃を受けて俳優を志望。卒業して幼なじみの今村昌平のいる早稲田大学文学部芸術科に編入し小沢昭一、加藤武らと演劇活動に熱中する傍ら、25年文学座附属演劇研究所にも入所。研究所同期には本山可久子、仲谷昇小池朝雄がいた。26年文学座入りし、「崑崙山の人々」で初舞台。同年「女の一生」高知県公演で杉村春子の相手役・栄二役に抜擢され、28年には「欲望という名の電車」初演でスタンレー役を好演。38年の2度の分裂騒動により多くの中堅俳優が脱退する中で劇団に留まり、同座の重鎮として最も多く杉村の相手役を務めた。男くさい線の太さとユーモアのある演技に持ち味を見せ、主な舞台に「花咲くチェリー」「華岡青洲の妻」「怪談牡丹灯籠」などがある。平成元年紫綬褒章、9年勲四等旭日小綬章を受章。同年より日本新劇俳優協会会長。一方、その演技力を買われて映画・テレビ出演も数多く、親友の今村監督作品には「にっぽん昆虫記」「『エロ事師たち』より人類学入門」「神々の深き欲望」「復讐するは我にあり」「赤い橋の下のぬるい水」などに出演、平成元年の「黒い雨」では主役を演じた。岡本喜八監督「日本のいちばん長い日」、長谷川和彦監督「太陽を盗んだ男」、相米慎二監督「セーラー服と機関銃」などでも印象的な演技を見せた。テレビではNHK大河ドラマ「花の生涯」「太閤記」「葵・徳川三代」や、「氷点」「おしん」「白い巨塔」「ちゅらさん」などに出演した。文学座の舞台としては「風の中の蝶たち」(16年)、映画は後藤俊夫監督「Beauty」(18年撮影)が遺作となった。

受賞
紫綬褒章〔平成1年〕,勲四等旭日小綬章〔平成9年〕 新劇演技賞〔昭和32年〕,岸田国士賞,紀伊国屋演劇賞(個人賞 第15回)〔昭和55年〕「花咲くチェリー」,芸術祭賞優秀賞(第38回 昭58年度)〔昭和59年〕「オセロー」,毎日芸術賞(第28回)(昭61年度)「欲望という名の電車」,読売演劇大賞(優秀男優賞 第1回)〔平成5年〕

没年月日
平成19年 5月6日 (2007年)

家族
長女=北村 由里(女優),長男=北村 有起哉(俳優)

伝記
再会の手帖―また逢いたい男たちいつものように幕が開きわが青春の早稲田―野望に燃えた狼たち徹子の部屋〈4〉 関 容子 著小沢 昭一 著大下 英治 著黒柳 徹子 著(発行元 幻戯書房晶文社祥伝社全国朝日放送 ’07’04’91’86発行)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

20世紀日本人名事典 「北村 和夫」の解説

北村 和夫
キタムラ カズオ

昭和期の循環器内科学者 順天堂大学名誉教授。



生年
大正8(1919)年9月7日

没年
平成14(2002)年8月23日

出生地
兵庫県

学歴〔年〕
東京帝国大学医学部医学科〔昭和20年〕卒

学位〔年〕
医学博士

主な受賞名〔年〕
勲四等瑞宝章〔平成5年〕

経歴
昭和30年順天堂大学に入り、内科講師、助教授を経て、39年教授。日本循環器学会会長などを歴任。心臓病の権威で、細い管の先端にマイクをつけて心臓内に挿入し、心音を記録する心内心音図を考案。心電図の電送法も開発するなど、医用電子工学(ME)の先駆けとなった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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