千畑古墳(読み)ちばたけこふん

日本歴史地名大系 「千畑古墳」の解説

千畑古墳
ちばたけこふん

[現在地名]西都市穂北

茶臼原ちやうすばる古墳群が展開する台地から一ッ瀬川に向け派生する丘陵上にあり、昭和九年(一九三四)に国の史跡に指定された。付近には千畑横穴墓群・穂北ほきた横穴墓群など小規模な開析谷斜面に数基から数十基単位で分布する横穴墓群が点在している。横穴墓の多くは六世紀後半から七世紀前半にかけて造営されたものとみられているが、方格規矩鏡・金銅製双竜文環頭柄頭太刀・銀象嵌円頭太刀等を出土したものもあり注目される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「千畑古墳」の解説

ちばたけこふん【千畑古墳】


宮崎県西都(さいと)市穂北にある古墳。一ツ瀬川の左岸、茶臼原(ちゃうすばる)台地上には前方後円墳3基・円墳52基で構成された茶臼原古墳群が分布しており、千畑古墳はその茶臼原台地の南側傾斜面に所在する。周辺には千畑横穴墓群をはじめ上江・野竹など約50基の横穴墓もある。そのなかにあって、千畑古墳は茶臼原台地が南方に突出した傾斜面を利用した前方後円墳で、中腹横穴式石室を造るなど、立地や形態などに際立った特色をもつことから、1934年(昭和9)に国の史跡に指定。石室は南に向けて開口し、内部羨道(せんどう)と玄室からなる。切り石を横積みし、天井には巨大な板石が使用され、全長9.2m。玄室は長さ5.7m、幅2.7m、高さ2.8m、羨道の長さ3.9m、幅1.7m、高さ1.5mあり、築造年代は、古墳時代後期と推定西都原古墳群の鬼の窟古墳同様、巨石を使用した大型の横穴式石室古墳として学術的に価値が高い古墳といわれている。JR日豊本線高鍋駅から宮崎交通バス「千畑」下車、徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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