中国,戦国末期に秦国で鋳造され始め,漢の前121年(元狩2)まで流通した銅銭。中央の方孔(正方形の穴)をはさんで右に半,左に両の文字を刻むところから半両銭と呼ばれる。半両とは1両(24銖)の半分(12銖)の重さを意味する。秦の始皇帝の末年(前210),黄金(金餅)を上幣,半両銭を下幣とする秦国の貨幣制度を全国に普及させることが定められたが,まもなく秦は政治的混乱状態に陥ったため,秦代には半両銭は統一貨幣として機能するにはいたらなかった。これは漢朝に継承されたが,大きさ,重量をめぐり試行錯誤が繰り返され,前175年(文帝5)重さ4銖の半両銭の制定で安定。この4銖半両は武帝の三銖銭の発行まで流通した。
執筆者:稲葉 一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
戦国秦から統一秦をへて前漢武帝期まで発行された青銅鋳造貨幣。方形の穴あき円銭で,表面に半両と表記している。半両の重さは7.8gに相当するが,出土する半両銭の重量や大きさはさまざまで,額面の重量とは一致しない。文献によれば,秦の恵文王の前336年と始皇帝の没年の前210年に貨幣を発行した。秦の統一貨幣とみられるが,統一時に発行した記録はない。前漢初期のものは表記は秦と同じ半両(12銖(しゅ))でも,重量は8銖,4銖などと定められた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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…中央官制としては,丞相,太尉,御史大夫という三公の下に官僚体系を整備して中央集権国家体制を完成させ,この体制が次の漢王朝に引き継がれることになる。この他,始皇帝がなした統一事業としては,度量衡の統一,貨幣の統一(半両銭すなわち約8gの円形方孔の青銅貨の制定),文字の統一(篆(てん)書という書体への統一),交通網の整備,民間からの武器の没収などがあり,これらの諸政策は丞相となった李斯を中心として,法家思想に基づいて進められたのである。外政に関しては,前215年に蒙恬(もうてん)を将軍として匈奴を討ち,万里の長城を築いて異民族の侵入を防ぎ,南は華南一帯を領土に収め,また東方の朝鮮にも軍隊を進めて東アジアにおける最初の大帝国を築きあげた。…
…この明刀銭の形式はまもなく南隣の斉国に受容され,化銭(あいかせん)が作られる。やがてこの方孔円銭の様式は西方の秦にも採用され,半両銭が作られる。半両銭は秦国の貨幣であったところから最初の統一貨幣の名誉を担うことになるが,方孔円銭という点で後世の銅銭の祖型とはなったものの,周縁部に外郭がなく,文字や形式も不整合なうえ,銭文とその重量が一致していなかった。…
※「半両銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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