南京豆(読み)ナンキンマメ

関連語 名詞

精選版 日本国語大辞典 「南京豆」の意味・読み・例文・類語

なんきん‐まめ【南京豆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. マメ科一年草。南米原産で、古くから栽培され、日本へは中国を経て江戸時代の初めに渡来し、千葉・茨城・栃木・鹿児島などの諸県で栽培されている。高さ約六〇センチメートル。茎は根ぎわから分枝して四方にひろがり、葉柄とともに褐色の細毛を密布する。葉は長柄をもち四個の小葉からなる偶数羽状複葉。小葉は倒卵形または卵形托葉は大きい。夏から秋にかけ、葉腋に柄のない黄色い小さな蝶形花をつける。花の下の花柄状のものはがく筒が長く伸びたもので、子房はこのがく筒の基部にある。花後、子房は柄が長く伸びて地中にもぐり繭(まゆ)形の豆果を結ぶ。豆果の中には茶褐色の薄皮に包まれた長楕円形の種子が一~三個ある。種子は炒(い)って食用にし、またピーナッツバター・食用油・人造バター・石けんなどをつくる。茎・葉を含め家畜飼料や緑肥としても利用される。とうじんまめ。とうまめ。いじんまめ。おにまめ。かんとうまめ。じまめ。そこまめ。落花生。ピーナッツ。《 季語・秋 》 〔日本植物名彙(1884)〕
  3. 植物「ふじまめ(藤豆)」の異名。〔農業全書(1697)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の南京豆の言及

【ラッカセイ(落花生)】より

…子実(豆)を食用,あるいは搾油原料とするために栽培されるマメ科の一年草(イラスト)。ナンキンマメ(南京豆)やジマメ(地豆)とも呼び,英名ピーナッツの名でも知られる。茎は基部から枝分れし,枝が立ちあがる立性と,横にはう匍匐(ほふく)性との2型に分けられる。…

※「南京豆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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