南俣村（読み）みなみまたむら

日本歴史地名大系

南俣村
みなみまたむら

• 宮崎県：東諸県郡
• 綾町
• 南俣村

[現在地名]綾町南俣

北俣村の南にあり、東は入野（いりの）村、西は須木（すき）村（現須木村）、南は紙屋（かみや）村（現野尻町）・浦之名（うらのみよう）村（現高岡町）。村内を綾南（あやみなみ）川が東に流れ、西方を浦之名川が南東へ流下する。肥後街道が北東から南西に通る。東方入野村内に飛地寺地（てらち）がある。寛文四年（一六六四）の諸県郡村高辻帳には南方（みなみがた）村とあり表高八五六石余、そのほか天保郷帳など幕府へ提出される郷帳類・資料類では南方村と記される。日向国覚書では南方村は高八五六石余（川ハタの注記あり）と一千六一二石余の二筆が記され、ほかに南方村内下水流村（川ハタの注記あり）・南方村内飯地村（川ハタの注記あり）・南方村内古屋（ふるや）村・南方村内広沢谷（ひろさわだに）村（大道スチの注記あり）が記される。このうち高一千六一二石余の南方村は前掲諸県郡村高辻帳にみえる広沢谷村一千六一二石余にあたるとみられ、当村西方広沢（ひろざわ）を中心とする地域であろうか。なお元禄国絵図には南方村・広沢谷村のほかに、広沢谷村のうちの下水流村と南方村、南方村のうちの飯地村と古屋村がみえている。一方「三州御治世要覧」には南俣村とあり内高二千五一五石余。

南俣村
みなみまたむら

• 鹿児島県：曾於郡
• 財部町
• 南俣村

[現在地名]財部町南俣

現町域の南部から東部にわたり、北に北俣（きたまた）村がある。北西に白鹿（しらが）岳があり、横市（よこいち）川と支流の今別府（いまべつぷ）川などが流れる。中世は財部院のうちで、上財部・下財部ともみえ、近世は財部郷に属した。下財部村がこの下財部を継承し、北俣村・南俣村などは上財部郷のうちであった。近世初期の村切では数ヵ村からなっており、寛文四年（一六六四）の郡村高辻帳に上財部郷のうちとして柿木（かきのき）村六八石余・集（あつまり）村六一六石余・須加（すが）村三一石余・図師（ずし）村六八五石余・上之（うえの）村七〇五石余とあり、これらがのちの南俣村であった。元禄大隅国絵図ではこれら五ヵ村（村高はほぼ同様）のほかに、「図師村之内財部村」「図師村之内早鈴村」「上之村之内」が記される（村高の記載はない）。

南俣村
みなみまたむら

• 長野県：長野市
• 南俣村

[現在地名]長野市稲葉（いなば） 南俣

南は千田（せんだ）村と古（ふる）川で境し、北は風間（かざま）用水で北高田（きたたかだ）村と境し、西は栗田（くりた）村と耕地で境する。

村名の初見は慶長七年（一六〇二）の川中島四郡検地打立之帳（小柳文書）で、「三百拾四石三斗七升壱合　南俣村」とある。古く芹田（せんだ）の里と称したという（長野県町村誌）。村名は古川（裾花川）と風間用水に挟まれた水脈の意の転訛であろう。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」