厚岸湾(読み)アッケシワン

デジタル大辞泉 「厚岸湾」の意味・読み・例文・類語

あっけし‐わん【厚岸湾】

北海道南東部にある湾。砂嘴さし発達によって厚岸湖をつくる。湾入り口の大黒島海鳥の繁殖地。

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日本歴史地名大系 「厚岸湾」の解説

厚岸湾
あつけしわん

釧路支庁釧路町の尻羽しりぱ岬から厚岸町の市街地を経て、同町末広まびろ崎に至る海岸線からなる湾入部のこと。内径が東西約一二・五キロ、南北約一四キロの楕円形で、南東に開口している。海岸線の背後には標高六〇―一四〇メートルの海成段丘が迫り、沖積低地は少ない。湾内は沖に向かって徐々に水深を増し、湾口付近で三〇メートルに達する。湾口には大黒だいこく島と島があり、湾奥は厚岸湖へと通じる。湾奥部は船舶が停泊できる天然の良港になっていた。一六四三年(寛永二〇年)オランダ東インド会社の北方航路探検隊司令官ド・フリース指揮のカストリクム号が、八月一五日から九月一日までの間湾内に停泊し、乗員は「アッキス」(アッケシ)コタンに上陸したり、内湾(厚岸湖)周辺を探検し、また同船はアッケシ湊に入港した松前藩の船から検分を受けた。

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改訂新版 世界大百科事典 「厚岸湾」の意味・わかりやすい解説

厚岸湾 (あっけしわん)

北海道南東部にある湾。釧路港の東方およそ35kmの位置にある。湾口は南を向き,幅約10km,湾奥までの奥行も10km程度の深い湾入をもち,湾奥の砂嘴(さし)によって厚岸湖と区分されている。湾奥の厚岸町中心部は漁港で沿岸漁業・沖合漁業の基地となり,湾内はニシンの好漁場になっている。厚岸湖は面積約32km2の塩湖で,カキ養殖などが行われている。湖の西部に連なる牡蠣(かき)島は,天然のカキ殻などが堆積したもので,アッケシソウ,ウミミドリなどの塩性植物群落として天然記念物に指定されているが,地盤沈降や水質汚濁などのため湖岸部を除けば,ほとんど見られなくなった。湾口にある大黒島は周囲6km,最高点103mの段丘面が広がり,周囲は急崖で海鳥の繁殖地として天然記念物に指定されている。とくにコシジロウミツバメの繁殖地としては,日本唯一のもので,北太平洋の南限繁殖地である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「厚岸湾」の意味・わかりやすい解説

厚岸湾
あっけしわん

北海道東部、北太平洋に臨む湾入。釧路(くしろ)総合振興局管内の厚岸町末広(まびろ)地区、小島、大黒(だいこく)島、釧路町尻羽(しれぱ)岬を結ぶ線以北にあり、水深30メートル以内。湾奥には厚岸港がある。1965年(昭和40)ごろまでニシン漁場として知られ、尻羽岬と小島周辺の暗礁地帯はいまも天然コンブの好漁場。大黒島はコシジロウミツバメ、エトピリカなどの海鳥繁殖地で国の天然記念物に指定されている。尻羽岬、愛冠(あいかっぷ)岬は海食崖(がい)が発達し、厚岸霧多布昆布森(きりたっぷこんぶもり)国定公園の景勝地。湾奥の厚岸湖へ通じる水路を挟んで厚岸市街が発達し、水路に厚岸大橋が架かっている。

[古川史郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「厚岸湾」の意味・わかりやすい解説

厚岸湾
あっけしわん

北海道東部の太平洋にのぞむ湾。尻羽岬と大黒島,厚岸町末広 (まびろ) を結ぶ線以北の湾入。湾内の水深は 20~30m,南に向って深くなり,湾口は多くの暗礁によってふさがれている。 1970年頃までは,ニシンの好漁場であった。湾奥東部は幅約 600mの水路によって厚岸湖に通じている。湾岸は厚岸道立自然公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「厚岸湾」の解説

厚岸湾

(北海道釧路郡釧路町・厚岸郡厚岸町)
日本の重要湿地500」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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