北海道に散在していた数戸~数十戸でつくるアイヌ民族の集落。江戸時代は幕藩体制の支配を受けず、各コタンが排他的な漁猟区を持ってサケやシカを捕獲。独自の慣習法に基づき、裁判も行っていた。亡くなった人の遺骨は墓地に埋葬し、コタンに住む全員でイチャルパ(先祖供養)をして管理していた。明治期の北海道開拓でコタンの土地は国有化され、周辺での漁猟も禁じられたためアイヌの生活は貧窮した。近年はコタンを先住権の主体と捉え、子孫が権利回復を目指す動きがある。
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アイヌ語で,ふつうムラ・集落などの意とされるが,家が1軒,1人の居住でも,東京や大阪のような大都会でもコタンと称される。多くは河口近くの海岸や川筋に営まれた。伝統的な自然コタンのほか,和人の介入の結果,場所請負人によって会所などに集められた強制コタンもある。
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…このことは,外婚的母系氏族またはリニエージの存在を予測させうる重要な要素である。
[部落]
アイヌ語で部落のことを一般に〈コタン〉というが,コタンという言葉は必ずしも地縁的単位社会としての部落を意味するものではなく,家が1軒あるところでも,ある期間だけ仮住いをする場所でも,およそ人が住んでいるところ,人が住んでいたところをコタンという。しかしここではコタンという言葉で,地縁的なアイヌの単位社会を呼ぶことにする。…
※「コタン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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