コタン

デジタル大辞泉 「コタン」の意味・読み・例文・類語

コタン

アイヌ語》村。村落

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共同通信ニュース用語解説 「コタン」の解説

コタン

北海道に散在していた数戸~数十戸でつくるアイヌ民族集落。江戸時代は幕藩体制支配を受けず、各コタンが排他的な漁猟区を持ってサケシカ捕獲。独自の慣習法に基づき、裁判も行っていた。亡くなった人の遺骨墓地に埋葬し、コタンに住む全員でイチャルパ(先祖供養)をして管理していた。明治期の北海道開拓でコタンの土地は国有化され、周辺での漁猟も禁じられたためアイヌの生活は貧窮した。近年はコタンを先住権主体と捉え、子孫が権利回復を目指す動きがある。

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精選版 日本国語大辞典 「コタン」の意味・読み・例文・類語

コタン

  1. 〘 名詞 〙 ( [アイヌ語] kotan 「村・集落」の意 ) アイヌの集落。
    1. [初出の実例]「コシャマインが、遠くウララペツ部落(コタン)ウラカワ)に近い所まで〈略〉引返へして来た時」(出典コシャマイン記(1935)〈鶴田知也〉九)

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百科事典マイペディア 「コタン」の意味・わかりやすい解説

コタン

コタンkotanはアイヌ語で集落・村落を意味し,季節的な仮の住居の場合にも用いる。一つの自然発生的コタンは,平均して5〜7軒ほどといわれ,20軒を超えるような集落の多くは,和人シャモ)の介入による強制移住によるものと考えられている。コタンはアイヌ社会の基本単位であり,多くは川筋海岸の河口付近に数km(平均4〜7km)の間隔をもって位置し,それらのいくつかがまとまって一つの河川集団を形成していた。集落・河川集団の形成には,漁猟場・狩猟場等に対する占有権が付随し,父系の血縁集団で構成されるのが本来の姿であったとみられる。各コタンにはコタンコロクルkotan-kor-kurとよばれる村長(むらおさ)がおり,コタン内あるいはコタン相互間のあらゆる問題の処理や祭事などにあたった。
→関連項目チャシ

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「コタン」の解説

コタン

アイヌ語で,ふつうムラ・集落などの意とされるが,家が1軒,1人の居住でも,東京や大阪のような大都会でもコタンと称される。多くは河口近くの海岸や川筋に営まれた。伝統的な自然コタンのほか,和人の介入の結果,場所請負人によって会所などに集められた強制コタンもある。

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世界大百科事典(旧版)内のコタンの言及

【アイヌ】より

…このことは,外婚的母系氏族またはリニエージの存在を予測させうる重要な要素である。
[部落]
 アイヌ語で部落のことを一般に〈コタン〉というが,コタンという言葉は必ずしも地縁的単位社会としての部落を意味するものではなく,家が1軒あるところでも,ある期間だけ仮住いをする場所でも,およそ人が住んでいるところ,人が住んでいたところをコタンという。しかしここではコタンという言葉で,地縁的なアイヌの単位社会を呼ぶことにする。…

※「コタン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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