原産地規則(読み)ゲンサンチキソク(その他表記)rules of origin

デジタル大辞泉 「原産地規則」の意味・読み・例文・類語

げんさんち‐きそく【原産地規則】

国際的に取引される商品原産地を判定するために用いられるルール特恵税率協定税率適用可否を判断するために用いられる。国際的に統一されたものはなく、各国または各地域貿易協定の参加国が独自に定めている。

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共同通信ニュース用語解説 「原産地規則」の解説

原産地規則

産品原産地を認定するためのルール。北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡る焦点の一つで、企業が国際分業を経て完成させる製品をどこまでNAFTAの対象として認定するかの基準となる。乗用車では、全部品の金額ベースで62・5%以上を3カ国内で調達すれば、完成車の関税をゼロと規定。日本の自動車メーカーは協定を活用してメキシコを北米向け輸出の生産拠点にしている。(ワシントン共同)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原産地規則」の意味・わかりやすい解説

原産地規則
げんさんちきそく
rules of origin

輸入品の原産国決定のための規則およびその証明手続きにおける規則。国際貿易においては関税の適用が物品の原産国に依存するため,おもに複数の国にまたがって生産された物品に対して詳細な基準が定められている。原産地は,当事国で最終的な加工がなされ,その水準が一定以上であること,あるいは当事国内で一定以上の付加価値がつけられていることなどを条件に決定される。原産地決定の基準や原産地を証明する手続きは,相手国が (1) 特恵原産地(経済連携協定 EPA域内国あるいは一般特恵関税制度 GSPで対象とする開発途上国で,一般の関税率より低く設定),または,(2) 非特恵原産地(世界貿易機関 WTOの原産地規則協定に基づく関税率を適用)のどちらかによって異なる。原産地の決定は,特に (1) において,域外の産品が迂回輸入され,不当に特恵関税の適用を受けることを防ぐ点で重要である(→原産地証明書)。

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知恵蔵 「原産地規則」の解説

原産地規則

貿易商品の原産地がどこの国であるのか、「商品の国籍」を判定するためのルール。ただし、企業活動のグローバル化や水平分業の進展に伴い、複数国の原料・部品を使用し複数国で加工して完成品が出来上がるというケースが増え、「商品の国籍」を1カ国に特定することが難しくなっている。現実には、EUの市場統合や、北米自由貿易協定などの地域統合が進むにつれ、その商品が域内原産なのか域外原産なのかの区別の重要性が増してきたこと、さらには、アンチ・ダンピング関税と関連して、ダンピングと認定された国の原産か、第三国で生産されたかが重要な問題となった。WTOでは、ローカルコンテント(現地調達率)の要求はガット違反の措置として禁止されたが、原産地規則の国際的統一は、WTOの今後の課題である。

(永田雅啓 埼玉大学教授 / 松尾寛 (株)三井物産戦略研究所副所長 / 2007年)

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