原産地規則(読み)げんさんちきそく(英語表記)rule of origin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

原産地規則
げんさんちきそく
rule of origin

ある製品がどの国の製品であるかを決定する規則。経済のボーダーレス化に伴い,1つの製品に対して複数の原産地が存在するという現象がふえてきている。たとえば,A国ですべての部品を生産し,B国で組立て,C国で最終的な仕上げを行うような場合,完成製品はどの国の製品とみなすべきかという問題が生じる。これは原産地の違いによって課税率が異なることによる。企業側としては競争力を維持するために原産地認定のとれる国へと進出し,逆に,この製品の輸入国が自国の当該産業を保護しようとする場合には,最も不利な条件の国の製品と認定するであろう。こうした恣意的な原産地認定は,非関税障壁の一種であるとして,ウルグアイ・ラウンドでは国際的に統一された原産地規則の制定を,世界貿易機関 WTO協定発効後3年以内に完了させるとしている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

知恵蔵の解説

原産地規則

貿易商品の原産地がどこの国であるのか、「商品の国籍」を判定するためのルール。ただし、企業活動のグローバル化や水平分業の進展に伴い、複数国の原料・部品を使用し複数国で加工して完成品が出来上がるというケースが増え、「商品の国籍」を1カ国に特定することが難しくなっている。現実には、EUの市場統合や、北米自由貿易協定などの地域統合が進むにつれ、その商品が域内原産なのか域外原産なのかの区別の重要性が増してきたこと、さらには、アンチ・ダンピング関税と関連して、ダンピングと認定された国の原産か、第三国で生産されたかが重要な問題となった。WTOでは、ローカルコンテント(現地調達率)の要求はガット違反の措置として禁止されたが、原産地規則の国際的統一は、WTOの今後の課題である。

(永田雅啓 埼玉大学教授 / 松尾寛 (株)三井物産戦略研究所副所長 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

げんさんち‐きそく【原産地規則】

国際的に取引される商品の原産地を判定するために用いられるルール。特恵税率協定税率の適用の可否を判断するために用いられる。国際的に統一されたものはなく、各国または各地域貿易協定の参加国が独自に定めている。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

げんさんちきそく【原産地規則】

輸入国が、輸入産品の生産国を特定するために制定する規則。関税賦課など、本来は無差別でなければいけないが、自由貿易地域を設定した場合など、国によって異なる待遇が認められる場合に、どこの国の産品かを確定するために必要とされる。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

今日のキーワード

刑事免責

刑事訴訟において,自己が刑事訴追を受けるおそれがあるとして証人が証言を拒否した場合に,証言義務を負わせることと引換えにその罪についての訴追の免除の特権 (免責特権) を裁判所が与えること。アメリカ合衆...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

原産地規則の関連情報