古場山村(読み)こばやまむら

日本歴史地名大系 「古場山村」の解説

古場山村
こばやまむら

[現在地名]富士町大字古場

古場と通称してきた小城おぎ山内さんない郷の古場山村は、現北山ほくざんダムの西側、古場川の谷間の諸小集落からなり、標高約三八〇メートル前後の地である。正保絵図に村名がみえる。

村は佐賀藩主鍋島直茂の隠居料にあてられたこともあり、小城藩の創設後その藩領となった。木炭生産のほか山葵を産した。

神功皇后武内宿禰を祀る中山なかやま神社があり、社伝によると、弘治永禄(一五五五―七〇)の頃、古場へ移ってきた嘉村某の勧請といわれる。


古場山村
こばやまむら

[現在地名]諫早市長田町ながたまち中田町なかだちよう御手水町おちようずちよう

西長田村の北に位置する。長田川が流れ、上流の古場山(御手水町)の谷間に二十数メートルの滝があり、傍らに行基が大楠を刻んで安置したという所伝をもつ観音堂があり、御手水観音と称される。岩肌に至徳二年(一三八五)の紀年銘があり、千手・不動・毘沙門の三尊の種子が刻まれているという。この霊域に向かう参道の左手に観音像を主体とする四九体の磨崖仏がみられるが、下村孫右衛門・向井半助や相撲取衆など多くは江戸時代のものとされる。

近世は諫早郷に属し、はじめ肥前佐賀藩親類同格の諫早家領であったが、元和七年(一六二一)に佐賀本藩に上知されたうち一村とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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