出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…継受法である大宝律令が範としたものは,唐の永徽律令(えいきりつれい)(650制定,翌年施行)であったとみられている。 大宝律令そのものは今日残されていないが,その内容は9世紀に編纂された令の注釈書《令集解(りようのしゆうげ)》に引用されている〈古記〉(大宝令の注釈書)や,大宝律令が施行されていた時期の《続日本紀》の記事などによって,その大要を知ることができる。それによれば,第1に,律を刑罰法,令を教令法・行政法とすることや,天皇の権力を絶対的なものとして中央集権的統治を貫徹させることなどの,中国律令法の基本的理念はそのまま継承されている。…
…すなわち,その年から翌年にかけて,藤原不比等(ふひと)をはじめとする編纂者たちは,明法博士(みようぼうはかせ)または令官(りようかん)として,分担して律令条文を講説し,また解釈を治定した。その後は専門学者が令師(りようし)として解釈の治定にあたったが,728年(神亀5)に大学のなかに律令学者の養成機関としての明法科が設けられると,律令の研究もさかんとなり,738年(天平10)ころには大宝令の私的注釈書〈古記〉が生まれた。ついで757年(天平宝字1)に養老律令が施行されたのを契機に,時の権力者藤原仲麻呂は新律令の講書を開催し,みずからも解釈の治定にあたっている。…
…すなわちそれ以前に著された明法家個人の〈令私記〉は,それを著した本人の解釈を記述することに重点がおかれ,先行学説は,自説を補強するためか,あるいは批判の対象として引用されるのが通例であった。だが本書では,《令義解》の説をはじめ,〈古記云〉〈釈云〉などとして,これらの学説をそのまま引用し,直本の私見はきわめて控えめに加えられているにすぎない。このため時代別の令解釈学のありかたを知ることができ,今日研究者に本書が珍重される最大の理由となっている。…
※「古記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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