法科大学院を修了していなくても、司法試験の受験資格を得ることができる試験。2006年(平成18)に始まった新司法試験制度は原則、法科大学院修了者が受験資格をもつとしているが、経済的事情で進学が困難な人や実社会で十分な経験を積んだ人にも法曹への門戸を開くため、旧司法試験終了に伴って2011年から導入された。司法試験法は、予備試験を法科大学院修了者と同等の学識およびその応用能力ならびに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定するもの、と位置づけており、予備試験に合格した日以降の4月1日からの5年間に、司法試験を5回受験することができる。司法試験予備試験には年齢や学歴、受験回数の制限はない。憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法、行政法、一般教養を試験科目とした短答式試験(5月)、論文式試験(7月)、口述試験(10月)の三つの試験で選抜される。過去3回の合格率は1.8~3.8%と狭き門であるが、予備試験合格者の司法試験合格率は68.2%~71.9%と高い。
予備試験は、旧司法試験の不合格者、「5年以内に3回まで」というかつての制限内に新司法試験に合格できなかった人、一般社会人らの受験を想定して始まった。しかし法科大学院修了にかかる学費や時間を省けるため、現役大学生や法科大学院在籍者が多数受験するようになった。志願者数は開始以来増え続けており、2014年には法科大学院の入学志願者数を上回った。このため実務教育に基づく法曹養成を目ざした法科大学院の導入趣旨を損ねているとして、経済同友会は予備試験の廃止を求め、東京大学などの主要法科大学院も予備試験の受験制限の導入を求めている。しかし政府の法曹養成制度改革顧問会議は2014年6月、予備試験の受験制限などはかえって法科大学院離れを招くおそれがあり、現段階で予備試験制度の見直しは困難としている。
[編集部]
(2013-5-21)
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