改訂新版 世界大百科事典 「合股」の意味・わかりやすい解説
合股 (ごうこ)
hé gǔ
旧中国における特殊な企業形態。股とは持分(株)のこと。出資者(財東)と経営者(経理・管事)がそれぞれ資本と労力を出しあって企業を組織し,利益はまず一部を出資者に優先配分し(官利),積立金を差し引いた残りを出資者・経営者・使用人にそれぞれ持株分に比例して配分する(紅利)。官利とは借入金利子,紅利は利潤にあたる。日本の組合,ヨーロッパのソキエタスに類似する企業形態で,16世紀ごろから存在を知られている。近代になり公司(コンス)(株式会社)が十分発達せず,むしろ合股制度が金融業はじめ商工業全体に発達した。合股は対人信用を基盤とし,出資者は連帯して無限責任を負う。そのため出資者,経営者らは同族・同郷出身者に限られる場合が多く,これが企業規模の拡大や資本の集中をきわめて限られたものとし,資本主義の発達に制約条件となった。新中国の成立後,政府の指導下に社会主義経済へ改造された。
執筆者:北村 敬直
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