(読み)ゴウ

デジタル大辞泉 「合」の意味・読み・例文・類語

ごう【合】[漢字項目]

[音]ゴウ(ガフ)(呉) ガッ(慣) カッ(慣) コウ(カフ)(漢) [訓]あう あわす あわせる
学習漢字]2年
〈ゴウ〉
二つ以上のものがいっしょになる。あう。あわせる。「合計合成合同合流暗合化合競合結合集合照合整合総合都合配合融合離合和合
規格・条件などに一致する。「合格合憲合理
「合成」の略。「合繊
〈ガッ・カッ〉あう。あわせる。「合作合算合宿合唱合戦かっせん合致合評合併
[補説]「ガッ・カッ」の音は「ゴウ(ガフ)・コウ(カフ)」の入声にっしょう音の変化したもの。
〈あい〉「合図合間気合具合度合場合割合
[名のり]かい・はる・よし
[難読]合羽カッパ工合ぐあい合歓木ねむのき保合もちあい催合もやい百合ゆり

ごう〔ガフ〕【合】

[名]
尺貫法の容量の単位。1合は1升の10分の1で、約0.18リットル。
尺貫法地積の単位。1合は1坪の10分の1で、約0.33平方メートル。
頂上までの登山の道のりなどの10分の1。ふもとから1合目・2合目と数える。「富士山の五目」
天文学で、太陽惑星とが地球から見て同じ方向にくること。内惑星では、太陽の内側にある場合を内合、太陽の外側にある場合を外合という。内合が起こらない外惑星では、外合を合という。→
総合2
[接尾]助数詞。物事の度数や個数を数えるのに用いる。
試合や合戦の回数を数える。「剣術の試合一、二」「相戦うこと三
ふたのある容器を数える。「長櫃ながびつ」「椀三

あい〔あひ〕【合(い)】

(「間」とも書く)「合い着」「合い服」の略。「合いの服」
名詞の下に付いて接尾語的に用いる。
㋐互いにある動作をすることを表す。「話し合い」「触れ合い
㋑様子・調子などの意を表す。「色合い」「ふう合い
㋒それに近いこと、そのあたり、の意を表す。「意味合い」「沖合い」「横合い

かっ【合】[漢字項目]

ごう

がっ【合】[漢字項目]

ごう

こう【合】[漢字項目]

ごう

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精選版 日本国語大辞典 「合」の意味・読み・例文・類語

ごうガフ【合】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. しめ高。つごう。合計。あわせて。
      1. [初出の実例]「あるじに三百、口鼻(かか)に百〈略〉合六百文蒔(まき)ちらせば」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)三)
    2. 漢詩の、主として絶句の第四句。起承転結の「結」。
      1. [初出の実例]「第四句を合(ガウ)といふ」(出典:授業編(1783)七)
    3. 箱、椀(わん)など、ふたのある容器。
      1. [初出の実例]「太虚将合炷一レ香」(出典:空華日用工夫略集‐二・永和三年(1377)一二月一三日)
    4. 茶の湯の柄杓(ひしゃく)の部分の名。
    5. 和船で、帆柱の根元をとめる受け座をいう。守(もり)
    6. 天文学でいう。
      1. (イ) 惑星が太陽と同方向に来る現象。また、その時刻。惑星がこの付近にあるときは昼の空に現われることになるので観測できない。水星金星の場合は二種あり、太陽と地球の間にこれらの惑星がある場合は内合、惑星と地球の間に太陽がはいる場合は外合という。
      2. (ロ) 衛星がその母惑星と同方向に来る現象。内合と外合の別がある。
    7. 論理学の弁証法で総合の意。因明(インドの論理学)で、三段論法の小前提をいう。→
    8. 面積、容積などをはかる単位。ある基準の十分の一を示す。
      1. (イ) 地積の単位で、一歩(または一坪)の十分の一(約〇・三三平方メートル)。
        1. [初出の実例]「残所定田弐百九十七丁陸段一合内、新田弐拾玖丁三段四合」(出典:飯野八幡宮文書‐元久元年(1204)九月一〇日・陸奥国好島荘田地目録注進状案)
      2. (ロ) 容積の単位で、一升の十分の一(約〇・一八リットル)、一勺(しゃく)の十倍にあたる。律令制の一升は尺貫法の約四合に相当する。〔令義解(718)〕
        1. [初出の実例]「白米三升二合、塩三合、味醤二合」(出典:日本三代実録‐仁和二年(886)六月七日)
        2. [その他の文献]〔漢書‐律暦志上〕
      3. (ハ) 山の登山路の高さなどに用いる。全体の十分の六を「六合目」などという。もとは、富士山について用いられた。
      4. (ニ) 和船の帆を張る程度をいう。帆桁を八分に上げるのを八合といい、五分に上げるのを五合という。
        1. [初出の実例]「帆追々下げ合、三四合斗迄にも引下げ」(出典:永住丸長州於阿川浦沈船一件(1847))
      5. (ホ) 川の出水の高さをはかる杭(くい)目盛一合は一升の十分の一。
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙
    1. 箱、椀(わん)など、ふたのある容器を数えるのに用いる。
      1. [初出の実例]「金泥銅火炉一合」(出典:多度神宮寺伽藍縁起資財帳‐延暦二〇年(801)一一月三日)
      2. 「大なる折樻(をりひつ)一合に入て」(出典:今昔物語集(1120頃か)一九)
    2. 戦争または試合でたたかうこと。また、その度数を数えるのに用いる。
      1. [初出の実例]「あまり剣術剣術と申すゆゑ、一二合(ガフ)致した上、其方の負けとならば」(出典:歌舞伎霊験曾我籬(1809)序幕)
      2. [その他の文献]〔史記‐項羽本紀〕

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普及版 字通 「合」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] ゴウ(ガフ)・コウ(カフ)・ガツ
[字訓] あう

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
を収める器である口((さい))の上に、深く蓋(ふた)をしている形。〔説文〕五下に「口を合はせるなり」とし、上を(しゅう)にして集、衆口を集める意とするが、そのような造字の法はない。盟誓などの書をその器中に収めて、合意の成ることをいう字で、金文の〔(ちようせいき)〕に「來(きた)りて事(まつり)を合す」とは祭事の協議が成立すること、そのような会合に参加することを「(あ)う」という。郷射のことを金文に「射」というのもその意である。は合を中にして二人対坐する形。は食膳を挟んで二人対坐する形での初文。合議のため会するときはがその字義にあう。合意のことをまた答といい、金文に「厥(そ)のに合(答)揚(たふやう)す」のように用い、〔左伝、宣二年〕にも「に合(こた)へて來りる」のような例がある。

[訓義]
1. あう、文書を収めた器にふたをする、器蓋があう。
2. 合議の書を収める、合議する、合議が成立する。
3. 両者の意見が合う、一致する、みなが参加する、あつまりそろう。
4. 相応ずる、答える、かなう。
5. 相対する、匹敵する、たたかう。
6. 応・答と同義に用い、「まさに~すべし」という語法に用いる。
7. 器の名、はこ。
8. 量の名、升の十分の一。

[古辞書の訓]
名義抄〕合 アハセテ・カナフ・ベシ・コゾル・ハカル・アツマル・ヤハラカナリ・アフ 〔字鏡集〕合 ベシ・アフ・アツム・ハカル・カナフ・ヤハラカナリ・アハセテ・アツマル・オナジ・コゾル・ヤラフ

[声系]
〔説文〕に合声として・翕・洽・拾・給など二十六字を収める。合・答の声義を承けるものが多い。

[語系]
合hp、hepは声近く、は合祀をいう。洽khepは洽(あまね)くすること、協xiap、翕・歙xipは合集することをいう。

[熟語]
合作・合錯・合衆・合従・合掌・合戦・合爪・合奏・合譟・合葬・合体・合致・合著・合璧・合意・合囲・合一・合穎・合応・合家・合夥・合会・合諧・合該・合蓋・合格・合楽・合・合歓・合眼・合器・合議・合宜・合・合・合拱・合郷・合鏡・合響・合凝・合・合金・合矩・合偶・合契・合計・合撃・合・合献・合権・合古・合股・合口・合交・合婚・合祭・合子・合市・合志・合祀・合祠・合詞・合社・合情・合信・合親・合・合襯・合刃・合勢・合族・合・合通・合当・合沓・合・合榻・合同・合道・合徳・合独・合配・合媒・合・合符・合変・合・合弁・合法・合匏・合烹・合縫・合抱・合謀・合門・合約・合邑・合要・合翼・合理・合里・合離・合流・合類・合礼・合・合和
[下接語]
暗合・烏合・化合・会合・廻合・諧合・勘合・綺合・九合・糾合・翕合・鳩合・匡合・協合・競合・合・遇合・契合・迎合・結合・牽合・交合・伉合・好合・合・校合・合・混合・習合・衆合・集合・聚合・緝合・照合・数合・整合・接合・綜合・総合・調合・適合・鈿合・投合・統合・粘合・配合・廃合・晩合・匹合・符合・傅合・膚合・復合・複合・吻合・合・分合・併合・合・縫合・冥合・野合・癒合・融合・離合・六合・連合・和合

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「合」の意味・わかりやすい解説

合(体積の単位)
ごう

中国および日本の体積の単位。1升の10分の1。日本の場合は約180.39ミリリットル。漢代に定められた尺の標準器黄鐘(こうしょう)管の体積龠(やく)を二つあわせた量とされた。これが合の名の由来である。当時の大きさはいまの約10分の1であったが、唐代に至って約5倍となり、これが大宝律令(たいほうりつりょう)(702)に採用されて以後も漸次増大して江戸時代初期に現在の大きさになった。中国での変化も大きく、地域により一定しない。

 合はまた1升の10分の1であるところから、他の量の単位の10分の1にも用いられる。土地面積の単位である歩あるいは坪の10分の1も合とよばれる。また山の高さにも用いられ、富士山の登山路を十分して、下から二合目、五合目、八合目などとよぶ。初めは富士山だけであったが、他の高山にも用いられるようになった。同じようなことが洪水の水位にも用いられた。出水の高さを計る水位計に合を刻んで、何合目まできた、などといった。

[小泉袈裟勝]


合(天文)
ごう

地球から見て惑星が太陽と同じ方向にくるときをいい、会合ともいう。正しくは太陽と惑星の黄経が等しくなるときであるが、赤経の合が用いられることもある。外惑星の合は太陽の向こう側にあるときだけであるが、内惑星では太陽の向こう側および手前側と2回の合がおこり、外合・内合とよんで区別する。なお、惑星どうし、あるいは月と惑星の黄経または赤経が等しくなるときも合あるいは会合ということもある。

[村山定男]

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改訂新版 世界大百科事典 「合」の意味・わかりやすい解説

合 (ごう)
conjunction

地球から見て,惑星が太陽と同じ方向に見えるときのこと。すなわち,惑星と太陽の地心視黄経が等しくなるときのこと。内惑星では,地球と太陽の間に惑星がくる場合と,太陽の向こう側に惑星がくる場合があるので,これらを区別するときには,前者を内合,後者を外合と呼ぶ。
執筆者:


合 (あい)

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百科事典マイペディア 「合」の意味・わかりやすい解説

合(天文)【ごう】

地球から見て惑星が太陽と同方向にあること。正確には惑星と太陽の黄経が一致すること。外惑星ではの対。内惑星では内合外合がある。
→関連項目会合周期

合(単位)【ごう】

(1)尺貫法の体積の単位。1合=1/10升=180.4ml。(2)尺貫法の面積の単位。1合=1/10坪(歩)=0.3306m2

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「合」の意味・わかりやすい解説


ごう
conjunction

惑星または月の黄経が太陽の黄経と同じになったときをいう。外惑星と月の場合は1公転中1回起る。内惑星の場合は1公転に2回起り,地球から見て太陽の向う側に行く場合を外合,こちら側を通る場合を内合という。


ごう

尺貫法」のページをご覧ください。

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単位名がわかる辞典 「合」の解説

ごう【合】

➀体積の単位。1升の10分の1。約0.18ℓ。中国では古代から、日本では大宝令(701年)以来使われてきた。
➁土地の面積の単位。1坪の10分の1。約0.33m2

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占い用語集 「合」の解説

十干、十二支の特別な結びつきのこと。十干には、陽干と陰干が結びつく「干合」がある。十二支には、三つの支が結びつく「三合」と「方合」、二つの支が結びつく「支合」がある。

出典 占い学校 アカデメイア・カレッジ占い用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【合の手】より

…三味線音楽の形式の一つ。〈間の手〉〈相の手〉とも書き,単に〈合〉ということもある。歌と歌とのあいだ(間)をつなぐ短い三味線の旋律を指す。…

【度量衡】より

…なお衡と類縁の文字で権(けん)というのもあるが,これは,はかりそのものではなく,分銅のほうを指す。これら4文字をさまざまに組み合わせた語が古くから用いられており,例えば度量という語は,人の心の広さを指すのに用いられ,また他方では度量衡,度量権衡などの語と同義的にも用いられて,〈長さ,面積,体積,質量をはかること,これらの量をはかるための道具や基準,また,それらにかかわる法律的,行政的な制度ないし公共的な協約〉を指すものと解されてきている。 これらの語の出典として,中国の史書や古典のうち《書経》《国語》《礼記(らいき)》《周礼(しゆらい)》《史記》などもあげられるが,この種の書では,度量衡を正しく定めることの政治的な意義が強調されている場合が多いようである。…

【連言】より

…論理学の用語。A,Bを二つの名詞あるいは二つの命題(文)とする。このとき,〈AそしてB〉をABの連言といい,A,Bをその連言肢という。現代論理学では,A,Bが命題であるときの〈そして〉を∧と記号化し,ABのように書く。∧のかわりに・,&等の記号を用いることもある。∧は,ABも真のときにかぎり,ABを真とする機能をもつ論理語,と定義される。論理語【坂井 秀寿】…

【会合周期】より

…二つの惑星が合(ないし衝)から出発して,次の同じ合(ないし衝)になるまでの期間をいう。一つの惑星を地球にとった場合,正確にはもう一つの惑星と地球との会合周期というべきであるが,これを単に会合周期ということも多い。…

【太陽系】より

…すなわち木星や土星に比べると太陽の内部は超高温で,これがけた違いな質量の自己重力によるけた違いな圧縮力と拮抗しこれを緩和しているからである。その代り太陽におけるその高温度は太陽の中心部で核融合反応を誘起することになって恒星の仲間に入ることになる。 天王星と海王星が木星の約1/20の質量しかないのに木星と同程度の平均密度をもつのは,水素やヘリウムより重い元素が主成分となっているからと考えられる。…

※「合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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