上方(かみがた)舞の流派。流祖は吉村ふじ(?―1909)で、京都の御殿舞(ごてんまい)の師匠山ノ内ふくの門下、小ふくに師事し、山ノ内ふじを名のる。明治30年代に京都から大阪に移って吉村流をおこし、南地芸妓(げいぎ)の師匠を勤めた。2世家元は初世の門弟ゆう(1865―1932)が継いで地盤を広げ、3世家元は2世の門弟雄光(ゆうこう)(1909―61)が継承。4世家元雄輝(ゆうき)(1923―98)は初の男性家元で、新作や古曲の振付けを意欲的に行い、また早くから東京にも進出して門下を育成し、流儀を発展させた。1986年(昭和61)人間国宝に認定され、97年(平成9)文化功労者。雄輝の没後、5世家元を門弟雄輝夫(ゆきお)(1932―2000)が継承。雄輝夫の没後、6世家元を雄輝の門弟輝章(きしょう)(1947― )が継いだ。
[如月青子]
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…さらに新舞踊からも新流派はあり,藤蔭流,五条流,林きむ子(1886‐1967)の林流,西崎緑の西崎流がある。上方舞では篠塚文三郎(?‐1845)を祖とする篠塚流,井上八千代の井上流,山村友五郎による山村流,楳茂都(うめもと)扇性の楳茂都流,吉村ふじ(?‐1909)の吉村流等がある。歌舞伎舞踊【菊池 明】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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