吉村雄輝(読み)ヨシムラ ユウキ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「吉村雄輝」の解説

吉村 雄輝
ヨシムラ ユウキ


職業
日本舞踊家

専門
上方舞

肩書
吉村流家元(4代目) 重要無形文化財保持者(上方舞)〔昭和61年〕

本名
橋本 昇一

生年月日
大正12年 2月2日

出生地
高知県 高知市

出身地
大阪府 大阪市宗右衛門町

経歴
昭和3年吉村流2代目家元吉村ゆうに入門。7年3代目吉村雄光に師事。14年吉村雄輝を襲名。戦争中沖縄・台湾などで暗号解読係をつとめたあと、マラリア長崎海軍病院に入院中被爆。24年新派の花柳章太郎と出会い、東京に稽古場を開く。36年男性初の吉村流家元となる。37年大阪朝日座で襲名披露公演を行う。39年大阪で桐栄会、東京で上方舞研究会を開く。53年日本舞踊協会海外公演に参加、パリで「八島」を舞う。伝統基盤としつつ、こまやかな表現と清新な感覚を持ち、新作の発表の一方で古典作品の掘り起こしや復活にも力を注いだ。61年人間国宝、平成9年文化功労者。代表作に「こうの島」「宗右衛門町」「浪花十二月」「家桜傾城姿」など。著書に「序・破・急」がある。

所属団体
日本舞踊協会

受賞
芸術選奨文部大臣賞(第24回 昭48年度)〔昭和49年〕,文化功労者〔平成9年〕 紫綬褒章〔昭和59年〕 芸術祭賞〔昭和34年〕,舞踊ペンクラブ賞〔昭和35年〕,大阪文化祭賞〔昭和43年〕,花柳寿応賞(第10回)〔昭和55年〕,舞踊芸術賞〔昭和57年〕,松尾芸能賞(優秀賞 第9回)〔昭和63年〕,京都府文化賞(特別功労賞 第12回)〔平成6年〕

没年月日
平成10年 1月29日 (1998年)

家族
長男=池畑 慎之介(俳優)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

20世紀日本人名事典 「吉村雄輝」の解説

吉村 雄輝
ヨシムラ ユウキ

昭和・平成期の日本舞踊家 吉村流家元(4代目)。



生年
大正12(1923)年2月2日

没年
平成10(1998)年1月29日

出生地
高知県高知市

出身地
大阪・宗右衛門町

本名
橋本 昇一

主な受賞名〔年〕
芸術祭賞〔昭和34年〕,舞踊ペンクラブ賞〔昭和35年〕,大阪文化祭賞〔昭和43年〕,芸術選奨文部大臣賞〔昭和48年〕,花柳寿応賞(第10回)〔昭和55年〕,舞踊芸術賞〔昭和57年〕,紫綬褒章〔昭和59年〕,松尾芸能賞(優秀賞 第9回)〔昭和63年〕,京都府文化賞(特別功労賞 第12回)〔平成6年〕,文化功労者〔平成9年〕

経歴
昭和3年吉村流2代目家元吉村ゆうに入門。7年3代目吉村雄光に師事。14年吉村雄輝を襲名。戦争中沖縄・台湾などで暗号解読係を務めたあと、マラリアで長崎の海軍病院に入院中被爆。36年男性初の吉村流家元となる。伝統を基盤としつつ、こまやかな表現と清新な感覚を持ち、新作の発表の一方で古典作品の掘り起こしや復活にも力を注いだ。61年人間国宝。著書に「序・破・急」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉村雄輝」の意味・わかりやすい解説

吉村雄輝
よしむらゆうき
(1923―1998)

上方(かみがた)舞、吉村流の4世家元。本名橋本昇一。高知市に生まれる。1928年(昭和3)吉村流2世家元吉村ゆうに入門。2世没後、3世家元吉村雄光(ゆうこう)の内弟子となり、39年吉村雄輝の名を許される。49年東京に進出して広く上方舞を紹介し、門弟を育成して流儀を大きく発展させた。61年4世家元を継ぐ。吉村流初の男性家元で衣装付きや着流し姿によるつややかな女舞が有名で、袴(はかま)姿の激しい男舞にも実力を示した。『こうの鳥』『宗右衛門町(そうえもんちょう)』をはじめ優れた発表作品も多数。86年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、97年(平成9)文化功労者に選ばれた。

[如月青子]

『吉村雄輝著『舞 序破急』(1979・九芸出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「吉村雄輝」の解説

吉村雄輝 よしむら-ゆうき

1923-1998 昭和-平成時代の日本舞踊家。
大正12年2月2日生まれ。ピーター(池畑慎之助)の父。昭和3年上方舞吉村流2代家元吉村ゆうに入門。7年3代家元吉村雄光に師事。14年吉村雄輝を名のる。36年吉村流初の男性家元(4代)となった。上方舞を東京に紹介,「こうの鳥」「宗右衛門町」などの新作舞を発表。61年人間国宝。平成9年文化功労者。平成10年1月29日死去。74歳。高知県出身。本名は橋本曻一(しょういち)。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吉村雄輝」の意味・わかりやすい解説

吉村雄輝
よしむらゆうき

[生]1923.2.2. 高知
[没]1998.1.29. 京都
日本舞踊家,上方舞吉村流 4世家元。本名橋本昇一。3世家元吉村雄光の門弟で 1939年雄輝 (ゆうき) を名のり,1961年4世襲名。女舞の伝統を生かした端正で軽みのある芸風で,上方舞を東京はじめ全国へ広め,認めさせた。 1986年重要無形文化財保持者に認定。

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367日誕生日大事典 「吉村雄輝」の解説

吉村 雄輝 (よしむら ゆうき)

生年月日:1923年2月2日
昭和時代;平成時代の日本舞踊家。吉村流家元(4代目)
1998年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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