名付(読み)なづけ

精選版 日本国語大辞典 「名付」の意味・読み・例文・類語

な‐づけ【名付】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 名をつけること。ことばで表現すること。特に新生児命名儀礼をいう。一般に誕生後七日目にするが、地方によって、五日目、六日目、八日目、一一日目、一四日目と異なり、女児は三日目、男児は七日目とか、三日目に仮名、七日目に本名をつける風習の地方もある。近世までは、童名と成年に際して与えられる成人名(実名、本名)とがあった。
    1. [初出の実例]「言ひも得ず 名付(なづけ)も知らず 跡もなき 世の中なれば せむすべもなし」(出典万葉集(8C後)三・四六六)
  3. いいなずけ。婚約者。
    1. [初出の実例]「なづけの方より、急々に欲しいと申すにつき、中途ながら一生の身の固め」(出典:浄瑠璃・今宮心中(1711頃)上)

な‐づき【名付】

  1. 〘 名詞 〙 自分官位氏名略歴などを記し、入門服従しるしとして差し出した名札名簿(みょうぶ)
    1. [初出の実例]「兼輔朝臣の家に名つきを伝へさせ侍りけるに」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)雑二・一一八六・詞書)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の名付の言及

【名簿】より

…官位,姓名等を記した名札。名付(なづき),二字(にじ)ともいう。平安時代,貴族社会の風習として,貴人にはじめて会う際の礼として提出したり,弟子として師事する場合に提出したりした。…

※「名付」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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