名付(読み)なづき

精選版 日本国語大辞典の解説

な‐づき【名付】

〘名〙 自分の官位・氏名や略歴などを記し、入門や服従のしるしとして差し出した名札。名簿(みょうぶ)
※後撰(951‐953頃)雑二・一一八六・詞書「兼輔朝臣の家に名つきを伝へさせ侍りけるに」

な‐づけ【名付】

〘名〙
① 名をつけること。ことばで表現すること。特に新生児の命名の儀礼をいう。一般に誕生後七日目にするが、地方によって、五日目、六日目、八日目、一一日目、一四日目と異なり、女児は三日目、男児は七日目とか、三日目に仮名、七日目に本名をつける風習の地方もある。近世までは、童名と成年に際して与えられる成人名(実名、本名)とがあった。
※万葉(8C後)三・四六六「言ひも得ず 名付(なづけ)も知らず 跡もなき 世の中なれば せむすべもなし」
いいなずけ。婚約者。
※浄瑠璃・今宮心中(1711頃)上「なづけの方より、急々に欲しいと申すにつき、中途ながら一生の身の固め」

な‐づ・ける【名付】

〘他カ下一〙 なづ・く 〘他カ下二〙
① 名をつける。命名する。他と区別して特に名をつける。
※万葉(8C後)一八・四〇七八「恋ふといふはえも名豆気(なヅケ)たり言ふすべのたづきもなきはあが身なりけり」
※平家(13C前)一一「それよりしてこそ、あまの村雲の剣をば草なぎの剣とも名づけけれ」
② 一般的に、呼びならわす。称する。号する。呼称する。
※海道記(1223頃)極楽西方に非ず「世を厭人は沙門と名てたのしめる人とす」
※虎明本狂言・雁かりがね(室町末‐近世初)「それより文を雁書といひ、使はがん使と名付たり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の名付の言及

【名簿】より

…官位,姓名等を記した名札。名付(なづき),二字(にじ)ともいう。平安時代,貴族社会の風習として,貴人にはじめて会う際の礼として提出したり,弟子として師事する場合に提出したりした。…

※「名付」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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