吹っ掛ける(読み)フッカケル

デジタル大辞泉 「吹っ掛ける」の意味・読み・例文・類語

ふっ‐か・ける【吹っ掛ける】

[動カ下一]《「ふきかける」の音変化》
息や霧状にした液体などを吹いて物にかける。「息を―・けて手を暖める」
威勢よくしかける。意気込んでしむける。「無理難題を―・ける」「けんかを―・けられる」
実際よりも大げさに言う。また、非常に高い代金などを要求する。「法外な値段を―・けられる」
[類語]煽るけしかけるたきつける煽り立てるアジる挑発する扇動する火を付ける火に油を注ぐ知恵を付ける入れ知恵差し金

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「吹っ掛ける」の意味・読み・例文・類語

ふっ‐か・ける【吹掛】

  1. 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙 ( 「ふきかける(吹掛)」の変化した語 )
  2. [ 一 ] ( 「かける」は、覆うようにかぶせるの意 ) 息や口に含んだものを吹いてものにかける。また自動詞的に用いて、雨や雪などが激しく吹きつける。
    1. [初出の実例]「酒を〈略〉ぐいと引っかけ、はごのこへ息をふっかけ」(出典:咄本・座笑産(1773)はごのこ)
  3. [ 二 ] ( 「かける」は、動作作用を相手に向ける意 )
    1. 誇大にいう。また、法外な要求をする。値段などを不当に高くいう。
      1. [初出の実例]「ふっかけるのはいやだぜ、一枚なんて出すのはごめんだよ」(出典:浅草(1931)〈サトウハチロー〉浅草小話)
    2. 相手を困らせるように働きかける。喧嘩(けんか)などをしかける。
      1. [初出の実例]「自己に難題を吹(フッ)かけた所が」(出典人情本・閑情末摘花(1839‐41)五)

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