「忠義水滸伝解‐二一回」に「挑撥 ナカゴトヲ云テヲダテルコトナリ」とある。また、「広益熟字典」に「挑撥 テウハツ オダテル」とある。
一般的には、ある個人ないし集団が、他の個人ないし集団に対して、なんらかの行動を誘発する刺激を与えることを意味し、女性が男性の色情をそそり立てるような場合にも用いられる。しかし英語のprovocationやドイツ語のProvokationは、本来政治用語であり、ある政治勢力が、敵対する政治勢力からなんらかの作為ないし行動を、自己に有利な戦略・戦術上の条件・状況をつくりだすために、目的意識的に誘発することを意味している。たとえば、敵対組織の指導部や大衆集会・行進などのなかにスパイを送り込み、暴力的ないし非合法的行為を教唆・扇動することにより、世論や法によるその組織の孤立・弾圧の機会をつくりだすことで、帝政ロシアや天皇制日本の警察による革命政党抑圧にしばしば用いられた。
[加藤哲郎]
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加